韓国大統領、「北京五輪の外交ボイコット検討せず」
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が13日、オーストラリアのモリソン首相と首脳会談を行った後の共同記者会見で、来年2月の北京冬季五輪に選手団以外の外交使節団を派遣しない「外交ボイコット」に関連し「韓国政府は(ボイコットを)検討していない」と述べました。
韓国のヨンハプ通信によりますと、オーストラリアを国賓訪問している文大統領はこの会見で、「北京冬季五輪に対する外交ボイコットについては、米国をはじめとするどの国からも(ボイコットに)参加するよう勧誘を受けたことはない」と説明しました。
この問題をめぐっては米国が6日、北京冬季五輪への選手の出場は可能だが、政府関係者を派遣させない「外交ボイコット」を実施すると発表しており、その理由を「中国・新疆ウイグル自治区でのジェノサイド(大量虐殺)やその他の人権侵害を考慮する」と説明しています。一方の在米中国大使館は、ロシアのリアノーボスチ通信に対し、中国も米政府関係者を2022年北京冬季オリンピックには招いておらず、米政府が発表した「外交的ボイコット」は大会の成功を妨げることはないと反論しています。
文大統領はまた、米英豪による安全保障協力の枠組み「AUKUS(オーカス)」が中国への圧力を強め、中国との摩擦を引き起こしていることについて、今回のオーストラリア訪問は中国に対する韓国の立場とはいかなる関係もないとの考えを示しました。
そのうえで、「韓国は米国との同盟を外交と安保の根幹としているが、経済的側面においては中国との関係も非常に重要だ。朝鮮半島の平和と安定、そして北の非核化のために中国の建設的な努力が求められる」として、韓国は米国との堅固な同盟を基盤に、中国とも調和の取れた関係を維持するよう努力していると説明しました。
韓国と北朝鮮、米中が参加する朝鮮戦争の終戦宣言については「関連国である米国と中国、そして北が全て原則的に賛成の立場を示した」と述べる一方、北朝鮮が米国の対北敵対政策を根本的に撤回することを前提条件として求めており、まだ対話に入れていないと明らかにしました。
続けて、南北間と米朝間の対話が速やかに再開されるよう努力するとして、「われわれ政府は最後までできるだけ対話を通じてアプローチするよう努力していく」と強調しました。
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