韓国新大統領が就任演説、「国民が真の主人となる国つくる」
韓国のユン・ソクヨル新大統領(61)が10日火曜、就任式に出席し、大統領に正式に就任しました。
韓国・ヨンハプ通信が10日、ソウルから報じたところによりますと、ユン大統領は同日、就任式会場に移動して就任演説を行い、「自由民主主義と市場経済の体制を基盤に国民が真の主人となる国へと再建し、国際社会で責任と役割を果たす国をつくらなければならないという時代的な要求を受けてこの場に立った」と表明しました。
また、「自由と人権の価値に基づいた普遍的な国際規範を積極的に支持し守ることでグローバルリーダー国としての姿勢を持たなければならない」とし、「自由、人権、公正、連帯の価値を基盤に国民が真の主人となる国をつくる」と強調しています。
さらに、パンデミック(世界的な大流行)危機や供給網(サプライチェーン)の再整備、気候変動、食糧・エネルギー危機、超低成長、大規模な失業、二極化、社会的対立などに言及しました。
この就任式には、訪韓中の林外相も出席しています。
ユン大統領は、アメリカとの同盟関係を基盤として北朝鮮に対する抑止力を強化するとしているほか、冷え込んだ日本との関係改善にも意欲を示しています。
北朝鮮政策については、「核開発を巡っても平和的な解決のため、対話のドアを開いておく」として、「北が核開発を中断し、実質的な非核化に転換すれば、国際社会と協力し北の経済と住民の生活の質を画期的に改善できる大胆な計画を準備する」との方針を示しました。
さらに、韓国にとって最大の貿易相手国である中国との関係を強化することにも意欲を示しています。
ユン新大統領は10日午前0時、ソウル・竜山に設けられた大統領執務室の地下にある国家危機管理センター状況室(地下バンカー)で軍の統帥権を受け継ぐことで公務を開始しました。