中国の習主席、「欧米の制裁は世界経済を武器化」
中国の習近平国家主席が、「欧米の制裁は、世界経済を武器化するものだ」と語りました。
CNNが香港から報じたところによりますと、習国家主席は22日水曜午後、23日木曜開催のBRICS新興経済5カ国会議を控えてのビジネスフォーラムでの演説で、 欧米による制裁は世界経済を「武器化」するものだと非難し、経済的難局を前にした結束を訴えています。
また、世界は「安全保障上の難題」の中で新型コロナウイルス禍からの回復に苦慮していると指摘し、重大局面を迎えているとの認識を示しました。
そして「過去の悲劇は我々に、覇権主義やグループ政治、陣営対立が平和や安全をもたらさないこと、戦争と紛争に行き着くしかないことを教えている」とも述べています。
さらに、ウクライナ危機については「全世界にとっての新たな警鐘」だと言及するとともに、「いわゆる『強者の立場』を盲信して軍事同盟の拡大を図り、他国の安全を犠牲にして自国の安全を追求すれば、安全保障上の苦境に陥るだけだ」と語りました。
習氏のこれらの一連の発言は、米国やNATO北大西洋条約機構に暗に言及したものとみられ、中国政府は米国やNATOがウクライナでのロシアによる特殊軍事作戦を誘発したと繰り返し非難しています。
習氏はこの他、欧米の制裁にも矛先を向け、こうした措置は世界経済を武器として利用する「もろ刃の剣」であり、世界中の人に害をもたらすものだと指摘しました。
22日の会合ではロシアのプーチン大統領も演説を行い、ロシアは貿易の流れをBRICS諸国などの「信頼できる国際パートナー」に振り向けていることを明らかにしています。
BRICSは2009年、「新興市場経済国と発展途上国の共通の利益に資する」ことを目的に設立された組織で、首脳会議は今回で14回目となります。