防衛副大臣、屋久島沖オスプレイ墜落を「不時着水」と主張
米空軍横田基地所属の輸送機CV22オスプレイ1機が鹿児島県の屋久島沖に墜落した事故を巡り、宮澤博行防衛副大臣は29日午後の臨時記者会見で、海上保安庁の巡視船がオスプレイの乗員1人を救助したと発表しました。
沖縄タイムスによりますと、海上保安庁はこの乗員が同日午後、搬送先の病院で死亡が確認されたとしています。
防衛省によれば、オスプレイの国内での死亡事故は初めてとなります。
宮澤副大臣は、今回の墜落事故に関して「不時着水」と発表し、その根拠について「米側から、最後の最後までパイロットが頑張っていたとの説明を受けている」とし、操縦士が墜落まで機体をコントロールしていたと主張しました。
また、事故当時の詳しい状況について、「米側に確認しているが、人命救助が第一だ」と述べ、飛行停止の申し入れなど今後の対応は「原因究明が進んでおらず、そこまでの判断に至っていない」と説明しました。
このオスプレイは、29日午後2時40分ごろに墜落し、現在、陸海空自衛隊から航空機などが現場に派遣され、海上保安庁と連携して乗員の捜索を続けているということです。
海保は29日午後、当初8人としていた乗員を計6人と訂正し、捜索中の航空機から撮影した機体の残骸の写真を公表しました。
一方、沖縄県の玉城デニー知事は29日、県庁で記者団に対し、米軍のCV22オスプレイの墜落事故を受け、県民が不安を持つ中での事故は「非常に残念」と強調した上で、「直ちに訓練を中止すべきだ」との考えを示しました。県は同日、沖縄防衛局と外務省沖縄事務所に、海兵隊所属機も含め原因究明までのオスプレイの飛行停止を求めました。
玉城知事はさらに、搭乗員の早期の救出を願っているとしながら、8月のオーストラリアでの死亡事故や県内で相次いでいる緊急着陸に触れ、「不安がこのような形で現実になってしまった」と指摘し、米軍が県内での危険性を考慮するのであれば、県内配備を中止し、米本国などで運用すべきだと訴えました。