在日イスラエル大使館、早稲田大学構内に警察呼ぶ 大学の自治侵害
昨年11月、早稲田大学で開かれた在日イスラエル大使館共催のイベントで、大使館関係者がムスリム学生に差別的な対応をし、さらに構内に警察を呼んでいたことをフリージャーナリストの安田菜津紀さんが公表しました。
これは、ウェブメディア「Dialogue for People」に安田さんが2日付で寄稿した記事で明らかになったものです。
それによると、昨年11月28日、早稲田大学で「イスラエル情勢の現状~日イ・ビジネスのインプリケーション」というイベントが開催された際、2人のムスリム学生が参加を希望しましたが、1人には事前に通知されていなかった荷物検査がされ(学生B)、もう1人には参加そのものが認められなかった(学生A)ということです。
イベントの告知サイト(https://www.waseda.jp/inst/cro/news/2023/11/20/15097/)では、「こちらからチケットをお申込みください」と書かれていますが(2024年4月3日閲覧時点)、この2人は事前の申し込みをしておらず、当日参加を希望しました。
参加が認められなかった学生Aは、学生Bに対しては認められたことを引き合いに出して交渉しましたが、イスラエル大使館の担当者から「警察を呼ぶぞ」といった威圧を受け断念し、会場を後にしました。
しかし、その後、このイスラエル大使館の担当者が警察を呼び、駆け付けた警察官らが学生Bに、参加が認められなかった学生Aの個人情報を質問するという事態が起きました。
事情を知った学生Aが戻ると、警察官らに取り囲まれ、その後も大学敷地外で聴取が続いたということです。学生Aによると、この時、イスラエル大使館の担当者が警察に対し、学生Aが「暴れた」などと事実無根の内容を話したということです。
安田さんの取材に早稲田大学は、イスラエル大使館の担当者が警察を大学構内に呼んだことについて、「大学としては、警察を呼ぶという行為は過剰な反応であった」とコメントしました。
一方、荷物検査が学生Bに対してのみ行われたことについては、「把握していない」としています。