イラン・イラク戦争殉教者の日本人母・山村邦子さんが死去
7月 02, 2022 11:30 Asia/Tokyo
イラン在住の日本人で、1980年代のイラン・イラク戦争で息子が殉教した山村邦子さん(イラン名:サバー・バーバーイー)が、1日金曜昼過ぎ、テヘラン市内の病院で亡くなりました。84歳でした。
山村さんは、5月末ごろから呼吸疾患のため入院していました。
山村さんは1938年、兵庫県芦屋市で生まれました。20歳の時、イスラム教徒のイラン人男性と知り合い、そのイスラム的道徳心の影響を受け、イスラム教に改宗。聖典コーランの第34章の名にちなんで「サバー」という名前を自ら選びました。その後、この男性と結婚し、イランに移住しました。
山村さんの息子のひとり・モハンマドさんは、1980年代のイラン・イラク戦争(別名:聖なる防衛/押し付けられた戦争)で殉教しました。このことで、山村さんはイランの体制指導部や社会に広く知られ、深く尊敬されることになります。
山村さんは、イラン国営放送国際部のラジオ日本語創設にも大きな役割を果たし、同局の専門家として協力を続けました。
さらに慈善活動や日本・イラン間の文化・社会交流、テヘラン平和博物館の創設、イラン・イラク戦争でイラクによる毒ガス攻撃を受けた被害者の声を伝える活動、信仰関連のペルシア語テキストの日本語訳など、多くの活動に従事しました。
山村さんの回想録『日出づる国からの移住者』は、イランで版を重ね、その他の言語にも翻訳されています。
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