ウィーン協議イラン代表団顧問、「欧州は壊滅的なエネルギー危機に直面」
ウィーン協議でイラン代表団の顧問を務めるマランディー氏が、ヨーロッパが壊滅的なエネルギー危機に直面していることを指摘し、「イランは、(合意草案)文書内のあいまいな点や空白部分を受け入れない」と強調しました。
マランディー氏は4日日曜、ツイッターにおいて「イランは辛抱強くあるだろう。米国はオバマ政権時代に組織的に核合意に違反し、トランプ前大統領とバイデン現大統領の時代においては、罪のないイラン国民に対して”最大限の圧力”政策を行ってきた」としました。
続けて、イランが合意草案文書内のあいまいな点や抜け穴となる空白部分を受け入れないことを強調し、「冬が近づくなか、EUは壊滅的なエネルギー危機に直面している」と指摘しました。
アメリカによる圧政的・一方的な各種制裁の解除を主軸とするウィーン協議の新ラウンドは、先月4日から8日にわたり開催され、この協議の調整役であるエンリケ・モラ欧州対外行動庁事務次長が、一連の提案を提示しました。
これに対し、イランは先月15日、核合意の完全実施再開への道筋を示したヨーロッパ側の提案文書に対する自らの返答を伝え、「米国が現実的かつ柔軟になれば、合意は成るだろう」と表明していました。
イラン外務省のキャンアーニー報道官は、その後の進展に関して2日金曜未明、「米国側の回答を受け取った後、イランの専門家チームはそれを慎重に検討し、その回答を1日木曜夜にモラ調整官に渡した」と発表しています。
アメリカ国務省のある関係者はこの件をめぐり、匿名を条件に「イランとの合意は、バイデン政権がとりうる最良の選択肢だ」と述べた上で、「我々は、イラン国内の核施設におけるウラン化合物の調査のためイランと協力することを強調している」としています。
一方、イラン代表団側は、「合意成立の必要条件は、制裁の恒久的な解除が何らかの形で保証されること、そしてこの問題が将来的に、イランに対する圧力手段として残されるべきではないということである」と表明しています。
イランが核合意で求めている点は、自国民の経済的利益の保証、イランの対外貿易の障害の解消、石油販売に対する違法な制限の撤廃を確実にすることです。
こうした点から、協議参加各国がイランの論理的な要求と持続的な合意形成の必要条件を受け入れれば、最終合意は成立することになります。
アメリカは2018年5月、国連安保理決議 2231号に反して、一方的に対イラン核合意から離脱し、イラン国民に対する制裁を再開しました。