3月 11, 2023 15:14 Asia/Tokyo
  • ナズィーリーアスル氏
    ナズィーリーアスル氏

IAEA国際原子力機関を含めた在オーストリア・ウィーン国際機関のイラン代表を務めるナズィーリーアスル氏が、「我が国にはIAEAと協力を行う準備がある」と強調しました。

イランは、アメリカが核合意から一方的に離脱し、その後欧州側が約束した合意内責務履行を2年間待ち続けた後、IAEAの監督の下に合意内責務実施のバランスを取るため、自国の責務実施を段階的に縮小する措置に踏み切りました。

ただしイラン側は、相手側が責務を完全に履行した場合にはこの措置を元の状態へ戻すことが可能であることを、繰り返し表明しています。

ナズィーリーアスル氏はフランス通信のインタビューで、この件をめぐり「イランは、グロッシIAEA事務局長との協力を大いに望んでいる」と述べました。

また、「イランはさらに、自国の核計画をめぐっても協力したいと考えている」としました。

その上で、イランがIAEAと行う協力について、「今後数週間から数か月の間に、共通の関心事への調査に向けて片付けるべき多くの仕事がある」と説明しました。

そして、「我々は、責任を持って共に作業を進めていくべきである」と指摘しました。

IAEA国際原子力機関理事会のイラン関連会合は8日水曜、対イラン決議採択なしに終了しました。

イルナー通信によりますと、今回の会合では一部の西側諸国がイランの平和的核計画に対する決議採択を試み、物議をかもしましたが、結局決議は採択されませんでした。

実際、グロッシ事務局長がテヘランを訪問し、保障措置問題での政治的主張の解決をめぐり成立したイランとの合意に同事務局長が満足したことで、他の関係国はこの会合を反イラン的行動に利用する口実がなくなった形となりました。

英独仏を中心とする西側諸国は、イラン国内で核兵器製造に必要なレベルに近い粒子が発見されたとする、米ブルームバーグの懐疑的・挑発的な報道により、今回のIAEA会議で新たな対イラン決議採択を望んでいました。

しかし、会合実施の前夜に、西側関係国の陣営内での見解対立が報告され、この点に関する最終決定は、IAEA事務局長のイラン訪問後に持ち越すことが決定されていました。

グロッシ事務局長の2日間におよぶテヘラン訪問および、これにより保障措置上の問題を解決するために出された声明は、反イラン的なムード醸成という西側の目論見を崩し、実際に、IAEA理事会の会合の成り行きを彼らの思惑とは違う方向へと促しました。

IAEA理事会の開会式で、グロッシ事務局長は、イランとの合意に満足していることを表明し、保障措置の問題を解決するための専門的会議の開催を待ち望んでいると述べました。

IAEA事務局長はまた、成立した合意を振り返りながら、IAEAの使命遂行のために必要なさらなる監視と査察の継続について、イランが自発的にその許可に同意したと述べました。

そして、この問題の重要性および、IAEA専門家チームが近くイランに向かうことに触れ、「我々は重要な業務を目前に控えている」と語りました。

今回のIAEA理事会会合でグロッシ事務局長が言及したもう1つの議題としては、西側メディアの世論操作やシオニスト政権イスラエルの反イラン挑発行為への警告・注意喚起のもと、JCPOA包括的共同行動計画(通称:対イラン核合意)の実施再開に必要な基盤を打ち立てる上でのIAEAの役割履行の準備が挙げられます。

 


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