イラン大統領、「核合意の行き詰まりは、その原因を作った者の手で解かれるべき」
ライースィー・イラン大統領が、「我々は交渉のための交渉ではなく、公正かつ論理的な結論と合意への到達を目的とした交渉に同意する」とし、「核合意の行き詰まりは、その原因を作った者の手で解かれるべきである」と語りました。
ライースィー大統領は、アメリカの外交政策専門家グループとの会合で、「イランは核合意から離脱せず、この合意に定められたすべての義務を履行した。この合意から離脱したのはアメリカであり、義務を履行しなかったのはヨーロッパ諸国である」としました。
さらに、「IAEA・国際原子力機関は、イランの核活動が平和的であり、同機関の規約から逸脱していないことを15回にわたり強調している」と語っています。
そして、「イランが位置する同じ地域では、他のいくつかの国が核活動や核兵器の生産に関連する活動を行っているが、それらに対してはIAEAもその他の国も鈍感だ」と述べました。
続けて、「西側諸国が民主主義の支持という主張に正直であるならば、ユダヤ人、キリスト教徒、イスラム教徒のいずれであっても、すべてのパレスチナ人が参加して自由な選挙を実施し、自らの運命を決定できるようにするための基盤を提供する必要がある」としています。
加えて、イランが地域問題への地域外勢力の不干渉を強調する主な理由の1つについて語り、「今日のアフガニスタンの現状は、同国における米国とNATO・北大西洋条約機構による20年以上にわたる占領と介入の結果に他ならない」と述べています。
また、ウクライナ危機に関しても「イランは、欧米諸国の後押しと扇動によってわが国に押し付けられた8年間の戦争という苦い経験を有している。このため、これらの紛争をできるだけ早く調停し、終結させるために全力を尽くす」と語りました。
ほかにも、西側の人権主張者の基準はダブルスタンダードだとし、「人権支持を主張する者は、欧米諸国の警察による市民の殺害に関する報道には敏感ではない」と述べています。
最後に、「我々は、外交政策と対外交流においてバランスを求めており、一部の西側諸国との交流だけで世界とのつながりを見ているわけではない」と結びました。