イラン警察副司令官、「イランで抗議の表明は自由」
イラン警察のレザーイー副司令官は、「イランでは抗議することは自由である」とし、「国民は抗議する権利があるが、暴動は警察として容認できない一線だ」と発表しました。
イルナー通信によりますと、レザーイー副司令官は10日月曜、イラン駐在の各国武官との会合において、「一部の国は、アメリカやシオニスト政権イスラエルに影響され、“イランでは人権が順守されない”としている。だが、外国メディアはニュースを真逆にして世界に伝えている」と語りました。
また、このような国々はなぜ、アメリカの警官が無実の市民の首を膝で押さえつけて窒息しさせた時は人権について語らないのかとの疑問を提起しました。
さらに、「イラン警察は、抗議集会において単に軍事的な行動をとろうとしていたら、別の方法で対応していただろう。イランでは抗議の意を表すことは自由であるが、一部の輩はこれらの抗議を悪用し、社会秩序をかく乱しようとしている」と述べました。
そして、「イランの統治体制は、国民を支えにしたものである」とし、「イランはひとつの厳しい軍事体制国家ではないものの、覇権主義国はこの事実を捻じ曲げている」としました。
去る9月13日、テヘラン警察はイラン北西部コルデスターン州出身のマフサー・アミーニーさん(22)を、服装面での法律違反を理由に警察署に移送しました。
しかし、その数時間後にマフサーさんは突然意識を失い、心肺蘇生のための応急処置の後病院に搬送されたものの、3日後の先月16日に死亡が確認されました。
マフサーさんの死亡は世論に大きな衝撃を与え、警察の社会的任務の1つの実施方法に対する大規模な抗議の波を引き起こしています。
これを受け、政府幹部責任者はこの問題の追跡調査を命じました。
この問題にまつわる一連の抗議行動は当初は平和的で、法律の枠内に収まっていましたが、国外の敵が英ロンドンやチェコ・プラハ、そして米ワシントンに本拠を置く複数のペルシャ語メディアを利用し、抗議行動をイランへの内政干渉の機会として悪用し、抗議者を騒乱や暴動、公共器物破壊や警察署、政府系機関への襲撃へと扇動しました。
反イランテロ組織MKOモナーフェギンなどの反革命組織や王政派、IKDPイラン・クルド民主党も、アメリカを初めとする西側諸国やシオニスト政権イスラエルの後押しを受け、反イラン的な目的を狙い、この問題の悪用を試みましたが、こうした工作は失敗に終わっています。
その一方で、国内の広場や街頭には現体制を支持し、騒乱や暴動に反対する数百万人もの市民が繰り出しました。
イラン法医学機関は声明を発表し、先に警察署内で死亡したマフサーさんの死因を「低酸素脳症」だったとし、7日金曜、「病院の資料によれば、司法解剖の結果、マフサーさんの死因は、頭部や身体の中枢系に打撲を受けたとは見られない」と表明しています。
この声明によりますと、マフサーさんは8歳のときに脳腫瘍の摘出手術を受けた病歴があり、定期的に薬を服用していたということです。