イラン原子力庁長官、「わが国の核活動は全てIAEAの監視下で実施」
イラン原子力庁のエスラーミー長官が、同国中部ナタンズにある核施設でのウラン濃縮活動に関するIAEA国際原子力機関の内部報告書に反応し、「わが国の核活動は全て、IAEAの監視下で実施されている」と語りました。
ロイター通信が入手した報告書で、IAEAは「イランは、ナタンズ施設に最近設置された最新鋭の第6世代遠心分離機の第3カスケードを使用して、ウラン濃縮プロセスを開始した」と主張しています。
イルナー通信によりますと、エスラーミー長官は「IAEAが最近発表した報告書は、イラン原子力庁の公式かつ公開された行動に関するものだ」と述べました。
エスラーミー氏はまた、「ナタンズ施設での濃縮活動に関するIAEAの報告書は機密・非公開であり、同機関は機密守秘事項を遵守する義務があるが、これらの機密文書は毎回メディアにリークされている」としています。
さらに、「わが国は正式なIAEA加盟国であり、一連の条約・法規に従っていることから、すべての核活動は同機関によって監視されている。このため、その目的、設計、実施時期、および運用について正式にIAEAに通知している」と語りました。
そして、「わが国の行動は、戦略的措置法の実施と核合意内の責務履行の段階的な縮小に沿って実行されてきた」と述べています。
2018年5月8日、米国は正式に対イラン核合意から離脱し、過去の制裁を再発動した上に、イランに対して新たな制裁を課しました。
イランは核合意の枠組みの中で、自らの核関連の責務を、アメリカの離脱後も1年間履行しましたが、核合意に署名している欧州諸国が義務を履行できなかったため、 2019年5月から5 段階にわたりこの合意に定められた責務履行の段階的な縮小に踏み切っています。