イラン外相がウクライナ外相へ提言、「強硬な一部欧州政治家の影響を受けるべきでない」
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イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相とウクライナのクレバ外相
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相が、ウクライナのクレバ外相との電話会談において、ロシアがウクライナ戦争でイラン製無人機を使用したとする主張を否定し、「一部の強硬な欧州政治家の影響を受けるべきではない」と提言しました。
アメリカはウクライナ戦争の開戦以来、約180億ドル相当の武器をウクライナに送付していながら、イランがウクライナ戦争での使用目的でロシアに無人機を提供したとして、しばらく前からイランを非難してきました。
しかし、イラン当局はこれを強く否定しています。
アミールアブドッラーヒヤーン外相はクレバ外相との電話会談で、ウクライナ戦争でイラン製無人機が使用されたという主張を強く否定し、「我が国は、8年間もの押し付けられた戦争(=1980年代のイラン・イラク戦争)を経験しているため、ウクライナやイエメンなどでの戦争に反対している」と強調しました。
続けて、「我々は、ロシアとは良好な関係を築いており、かねてから防衛面での協力を行っている。しかし、ウクライナ戦争に対する我々の方針は、諸国の領土保全を尊重し、いずれの交戦勢力にもに武器を送らず、戦争や人々の難民化を終結させるというものである」と説明しました。
そして、「イランの外交政策は完全に明快であり、戦争反対という一つの基準に基づいている」としました。
その上で、「(無人機問題解決のために)イラン政府は、いかなる仲介者も必要としない、軍事専門家が参加するウクライナとのニ国間技術会議の開催に向けた用意がある」と強調しました。
一方のクレバ外相は、ウクライナ戦争で使用される武器を送らないというイランの立場に感謝しながら、「ニ国の軍事技術代表団による話し合いは重要なことである」と述べました。