イラン外相が国連事務総長との電話会談で、人権理特別会合開催について警告
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相が、国連のグテーレス事務総長との電話会談において、イランについて人権理事会特別会合を開こうとする試みは受け入れられないとし、同理事会の政治的行動がイランと西側諸国との協力に悪影響を及ぼすと警告しました。
国際通信イランプレスによりますと、アミールアブドッラーヒヤーン外相は10日木曜、この電話会談で、西側諸国の一部政府によるダブルスタンダードを批判しながら、イランに関して人権理事会特別会合を開こうとする彼らの試みは受け入れられないものだとして、「人権理事会の会合は、真の人権擁護者であり最近の暴動でも極めて自制的に対応しているイランについてではなく、暴力やテロを奨励する政府に関して開かれるべきである」と述べました。
続けて、「西側諸国の一部政府は国連憲章に反し、イラン国内で行われている平和的要求を悪用して暴力を煽り、さらにインターネットやメディアを通じて武器や火炎瓶の作り方を教えた。その結果、イランでは警察官が殺害され情勢不安が増し、テロ組織ISISによる(イラン南部シーラーズでの)攻撃が行われる土台となった」と説明しました。
また、ウクライナ問題をめぐっては、イランがウクライナ戦争での使用目的で無人機をロシアに送ったという根拠のない疑惑を、再度強く否定しました。
さらに、イエメン危機に関して、最近のイランでの暴動においてあるアラブ諸国がメディアを使い治安面の介入を行っていることを批判しながらも、イランはイエメンでの停戦延長を支援するための役割を継続しており、この点に関して国連とも協力していくことを強調して、「停戦延長およびイエメン封鎖の人道面での完全解除に関するあらゆる決定は、同国の指導者およびその国民により行われるべきだ」と指摘しました。
一方で、イラン原子力庁とIAEA国際原子力機関との間の技術協議の進み具合について触れ、双方の協力は適切なものだとしました。
イランの技術代表団は、数日前にIAEAとの協議のためにオーストリア・ウィーンを訪れており、グロッシIAEA事務局長の発表では、同機関の技術代表団も近くテヘランを訪問する予定であるということです。
グテーレス事務総長もこの会談で、国連人権理事会の責務について言及し、諸国の内政に関し同理事会のいかなる政治的干渉も否定しました。
続けて、テロとの戦いやイエメンでの停戦確立支援においてイランが果たしている建設的な役割に感謝しながら、イエメンでの臨時停戦延長に向けて国連事務総長イエメン担当特別代表との協力を続けていくようイランに求めました。
また、イランが外交を重視していることを称賛し、核合意の復活はすべての関係方面にとって利益を保証するものだとしました。
そして最後に、イランがIAEAとの協力を続けていることは、同国の前向きな歩みだと評価しました。