国連難民高等弁務官のテヘラン訪問と会談
国連のグランディ難民高等弁務官が、難民の受け入れに関してイランに感謝を述べ、「イランは、難民の教育や保健衛生に関して多くの費用を費やしてきた。この点で模範である」と語りました。
モッラーイー解説員
テヘランを訪問しているグランディ高等弁務官は、イランの外務大臣、内務大臣、保健医療教育大臣と会談しました。グランディ高等弁務官は、ザリーフ外相との会談で、「イランは、難民の教育や保健衛生の分野で多くの費用を費やし、この点で模範だ」と語りました。さらに、自身の前回のイラン訪問に触れ、「難民の生活状況を改善するためにイランが行ってきた活動の多さに驚いている。現在も、難民の可能性は拡大している」と語りました。
一方のザリーフ外相も、イランには多数の難民が存在するとし、「イランは30年以上、難民を受け入れ、保健衛生や教育の分野で多くの措置を講じようとしてきたが、残念ながら、国際的な支援はわずかなものだった」と述べました。
グランディ高等弁務官は、イランのラフマーニーファズリー内務大臣との会談でも、過去30年の難民に対するイランの貢献について触れ、「アフガニスタンが平和と平穏を回復するまで、この国の難民を支援すべきだ」と語りました。また、「アフガニスタンの難民問題を解決するために重要なのは、この国の治安を確立することだ。国連はそのために努力すべきだ」としました。
一方のラフマーニーファズリー内相もこの会談で、「イランは、戦争や制裁といった苦しい状況のもとでも、アフガン難民を受け入れた。この支援はなおも続けられている」とし、「地理的な状況から、イランは30年以上に渡り、イラクやアフガニスタンの難民の問題を抱えており、時には、この2カ国、特にアフガニスタンから300万人を超える難民を受け入れたこともあった」と述べました。さらに、アフガン難民の97%以上はイラン社会の中で暮らしており、イラン人と同じように、教育、保健衛生、雇用、安全、司法分野での権利を有しているとし、「イランは今も、アフガン難民が自発的に祖国に帰還すべきだと考えている」と強調しました。
イランのガーズィーザーデハーシェミー保健医療教育大臣も、グランディ高等弁務官との会談で、「残念ながら、国際機関や支援を義務とする人権団体は機能しておらず、防止策に注目していない。だが、世界の大国は、地域諸国で混乱を煽り、難民を増やし、情勢不安を作り出している」と語りました。
グランディ高等弁務官はまた、イラン内務省のゾルファガーリー治安担当次官との共同記者会見で、「アフガン難民の受け入れの責任は、この国の近隣諸国に向けられており、国際社会が、特にイランとパキスタンに感謝すべきときがきている」と語りました。また、昨年、イランに不法入国した人のうち、75万3000人が祖国に引き渡されたとし、「イランは、ヨーロッパ諸国への不法な移住を阻止するために多くの努力を行い、その対策のために多くの費用を費やした」と述べました。