イラン外務省報道官、「カナダ政府は国内先住民族の安全確保ができない」
イラン外務省のキャンアーニー報道官が、「カナダ政府は、世界の様々な場所にいる女性の人権擁護に関して数多くの主張を行っているものの、自国内で女性や子どもをはじめとした先住民族の安全を確保する力はなく、さらにそれを本気で遂行しようという意思もない」と述べました。
キャンアーニー報道官は、カナダで4人の先住民族女性が連続して殺害される事件が起き、さらに先住民族の女性や少女がいやがらせや性的暴力の対象にされていることを受け、ファールス通信とのインタビュの中で、「残念ながら、カナダでは女性・子どもの殺害が未だに世間を騒がせており、先日にも、4人の先住民族女性が殺害されたというニュースが報じられた」と述べました。
また、「カナダ政府が発表した報告によれば、同国での年間の女性・子どもの殺害のうち16%が先住民族に関連し、人口比率に比べて非常に高い割合となっている」としました。
そして、国際機関に対し、カナダ先住民族の権利を擁護するよう呼びかけました。
カナダの警察は先日、先住民族女性1人を殺害したとしてすでに告発されていた連続殺人犯が、別の先住民族女性3人も殺害していたことを発表しました。カナダ警察は捜査の詳細にはほとんど触れなかったものの、さらなる犠牲者の可能性を示す要素は今のところないとしています。
カナダでこのような連続殺人犯が逮捕されたことは、同国の先住民族女性の殺害に関する懸念を再び巻き起こしています。
カナダ公共放送CBCによりますと、カナダでの先住民族女性の殺害は危機的な状況となっており、ある都市などでは、2019年以降に市内だけで11人の先住民族女性が殺されています。
この件に関して注目すべき点は、カナダ当局がこの問題に対処するための行動をとらず、こうした傾向が続いていることです。
カナダでは、過去30年間に約4,000人の先住民族の女性や少女が殺害された、もしくは行方不明になったとの推計が発表されていますが、これは実際の犠牲者に対して氷山の一角と見られています。