シオニスト陣営が前代未聞の分裂、元戦争相がネタニヤフ首相を嘘つき呼ばわり
-
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ現首相とヨアブ・ガラント元戦争相
シオニスト政権イスラエルの2人の重要人物である、ベンヤミン・ネタニヤフ現首相とヨアブ・ガラント元戦争相が、2023年10月7日の失敗に対する責任逃れをめぐり前例のない闘争を繰り広げています。
占領地における政治・安全保障上の危機は、2023年10月7日以降、収束の兆しを見せないどころか、時とともに深刻化・緊張を増している。
【ParsToday西アジア】事態は当初、前例のない軍事・諜報活動の失敗とされていたものが、今日では言論の自由と責任をめぐる本格的な争いへと化しています。この争いの中心となっているのは、ネタニヤフ首相とガラント元戦争相という二人の主要人物です。
2023年10月7日はイスラエル政権にとって流血の日であったのみならず、最も重要な安全保障神話の1つが崩壊した瞬間でもありました。パレスチナ人の抵抗作戦は、イスラエルの防衛線と情報網を崩壊させたと共に、イスラエル世論にこの敗北の責任を問う問題を残した形となっています。
確執の発端:内閣発足から解任まで
そもそも、ネタニヤフ首相とガラント元戦争相の確執の発端となったのは、この失策でした。2023年10月7日の失策について、多くの軍司令官や情報機関関係者が責任を認めた一方、ネタニヤフ首相は直接責任を認めず、軍と前内閣の決定への責任転嫁を試みました。当時イスラエル戦争大臣を務めていたガラント氏は、矛盾した立場に立たされていました。両者の見解対立は10月7日以前から存在していたものの、2024年後半のガラント氏の解任がこのプロセスの転換点となり、公然たる対立の発端となったのです。
55ページにわたる文書:歴史の書き換えを試みたネタニヤフ首相
この論争が再燃したのは、ネタニヤフ首相が55ページに及ぶ文書を公開したことでした。ネタニヤフ首相はこの文書により、10月7日までの出来事に関する自身の見解を固めようとしたのです。ネタニヤフ首相は安全保障会議と政治会議の議事録の抜粋を厳選して公開することで、パレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスに対する警告者および、強硬な政治家を自称し、単純な脅迫を理由に他者を非難しました。専門家によれば、この文書は透明性のある回答ではなく、明らかにはぐらかしを狙った試みだったとされています。この見解において、ネタニヤフ首相は再び軍と治安機関に非難の矛先を向けました。
ガラント氏:「ネタニヤフ首相は虚言者」
ガラント元戦争相はこの文書に対し、前例のない激しい反応を示しました。彼はあるテレビインタビューで、ネタニヤフ氏を「虚言者」と公言し、「シオニスト兵が戦場で命を落としている間、首相自身は自らの政治的命拾いについて考えていた」と語っています。また「この文書の公表は、軍司令官と占領地内治安機関に対する世論を煽動するための計画的な行動だったと強調しています。さらに、敗北の責任を他者に転嫁すべく閣僚を扇動して軍司令官に反抗させようとした、としてネタニヤフ首相を非難しました。
ラファ検問所:見解対立の新たな転換点
両者の見解対立を生むもう一つの重要な論点となったのは、ガザ南部ラファ入域でした。ネタニヤフ首相は作戦の遅延の原因を軍の懸念によるものだと主張しましたが、ガラント氏はこれを否定し「主な理由は装備不足と北部戦線への集中である」と語っています。ガラント氏はまた「ネタニヤフ首相の優先事項はまず自分自身、次に内閣、そして最後にイスラエルだ」としており、これは直ちにメディアにも報じられました。さらにガラント氏は、弾薬不足に米国が絡んでいるとするネタニヤフ首相の主張を誤りだと考えています。
選挙の背景;世論をめぐる戦い
ガラント元戦争相がこの時期に沈黙を破ったのは、決して偶然ではありません。シオニスト占領地は選挙を目前に控え、その政治情勢は極めて極分化しています。世論調査によれば、シオニスト社会の相当部分がネタニヤフ時代の終焉を望んでいるということです。このような状況下で、言説をめぐる戦いは二倍の重要性を帯びています。ガラント氏はこの分野に割って入ることで、真実を隠蔽しないと主張する、体制内部からの証人という立場に自らを置いた形となっています。
今日、イスラエル占領地で起こっているのは単なる選挙闘争ではなく、集団的記憶と歴史的責任をめぐる闘争です。この危機はしばしば1973年の戦争後の状況と比較されますが、多くの人々の間では10月7日の打撃はより深く、より永続的であると考えられています。
この失敗により、イスラエルの軍事・政治指導者のイメージは著しく損なわれ、国民の信頼はかつてないほど低下しました。このような状況下では、自らの主張を支配的な真実として確立しようと試みる、言説をめぐる双方の争いは今後も続くと考えられます。そしてその最大の問題は、最終的にどの言説がイスラエル社会の意識に残るのか、そしてこの政権史上最大の敗北の代償を誰が払うのか、ということになるのです。

