イラン大統領、「IAEAは政治的勢力の影響受けるべきでない」
イランのライースィー大統領は、IAEA国際原子力機関が政治的勢力の目的に影響されるべきではないとして、「IAEAには、中立の原則を守りながら、イランが平和的核活動を行い法規を遵守しているという現状を報告してもらいたい」と述べました。
IRIB通信によりますと、ライースィー大統領は4日土曜に行ったグロッシIAEA事務局長との会談で、イランとIAEAとの間でこれまで行われてきた広範な協力に言及し、「IAEA関係者がイランを行き来していることは、同機関と建設的な協力を行いたいとするイランの強い意志を物語っている」と述べました。
続けて、産業、農業、医療などの分野において人々に役立つような形で核・原子力の知識を利用していく必要性を説き、「アメリカを筆頭とする一部諸国およびシオニスト政権イスラエルは、核の問題をイランの人々にさらに圧力をかけるための口実としている。一方、イスラエルはIAEAに加盟すらしておらず、その規則に従った行動も取っていない」としました。
また、アメリカ側が最初に核合意に違反してそこから離脱したことを強調し、「ヨーロッパ側も、核合意内の責務を履行しなかった。イランが核合意の責務を順守し、そのことを確認したとIAEAが15回余りも報告していたにもかかわらずだ」と述べました。
そして、イランが善意を持って誠実にIAEAと最高レベルの協力を行ってきたことに触れ、「IAEAの見解が完全に専門的なものであり、その活動が自身の目的追求を企む政治的勢力の影響下に置かれないよう、期待している」と強調しました。
一方のグロッシ事務局長は、イランとIAEAの協力は長く続き肯定的に受け止められるものだとして、「この状態が続くには、二者関係を強化する継続的かつ高レベルな協力が必要とされる」と述べました。
その上で、現在は人々のために役立つ核エネルギー利用が不可避となっていることを強調し、「イラン当局者らとの会談は、この先のやりとりに向けた良い土台となるものだった。今回の訪問の結果として、協力は強化されることだろう」としました。