May 29, 2023 18:33 Asia/Tokyo
  • ヌーリー氏
    ヌーリー氏

スウェーデンで拘束されているイラン人のハミード・ヌーリー氏に関し、同国の司法当局や警察が諸法や人道的観点を無視して同氏への締め付けを強めていることが、新たな報告書により分かりました。

ヌーリー氏は2019年11月、個人的な目的でスウェーデンを訪問しましたが、入国の際に同国の治安部隊に逮捕され、それ以来およそ38ヶ月の間刑務所に収監されています。

ヌーリー氏は、イランで33年前に起きた事件の一部に関与したとしてスウェーデン検察当局から起訴されています。しかし、ヌーリー氏に対してこのような事実に基づかない訴えを起こしているのは、1万7000人余りのイラン人を暗殺・殺害してきた反イランテロ組織・モナーフェギーンのメンバーです。

ヌーリー氏は拘束後の最初の8カ月間、家族やイラン領事館などとの連絡が一切禁止され、半ば拉致のような形で拘束されていました。その後、家族とごく短い電話による会話が許されましたが、自らの生存を伝えることができただけで、それ以降も25カ月間にわたって家族との面会は許可されませんでした。

ヌーリー氏に対してこの3年間で許された家族とのやり取りは、電話が30時間、面会が10時間のみでした。さらに、これらのごくわずかな通話や面会も、スウェーデン治安当局による監視下に置かれていました。

イラン司法当局によりますと、長期化し持久戦の様相を呈しているヌーリー氏の裁判は、現在控訴審の途中であり、29日月曜には先週に引き続き12回目の審理が行われることになっています。

これまでの3年半の間にヌーリー氏に対して行われた嫌がらせの一例には、独房での勾留や、頻繁な勾留場所の変更が挙げられます。 さらにスウェーデン当局は数週間前、ヌーリー氏の精神を痛めつける新たな方法を見つけ、同氏の独房の環境を何ら改善することなく、重度の精神障害を患う1人のエリトリア人を同房者として送り込みました。

ヌーリー氏はまた、弁護士との連絡においても常にさまざまな制限を付けられ、スウェーデン人弁護士らとの意思疎通を図るのに欠かせない通訳の手配も受けられませんでした。

スウェーデン刑務所の職員は、ヌーリー氏に十分な保健医療サービスを提供することを拒んでおり、同氏は新型コロナウイルスに罹患した際にも、適切な手当を受けられませんでした。

これに加えてヌーリー氏を悩ませているのは、刑務所内で働く不適切な通訳の存在です。彼らは家族や弁護士から託された内容を同氏に伝える代わりに、同氏自身やその信念を侮辱する言葉を浴びせるという、通訳にあるまじき行動を取っているということです。

 


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