イラン最高指導者、「イスラム諸国は米など超大国の干渉や過剰な要求に対抗するため団結すべき」
イランイスラム革命の最高指導者のハーメネイー師が、イスラムの聖典コーランを侮辱する計画が仕組まれた理由として、コーランの教えに対する専制勢力の危機感を挙げ、イスラム諸国はアメリカおよび圧政的な勢力の干渉に対処するために、連携し、基本的問題において統一された政策を踏襲する必要性を強調しました。
ハーメネイー師は3日火曜、イラン政府当局者、イスラム諸国の駐イラン大使、国際団結会議の参加者らと会談し、イスラムの預言者ムハンマドとシーア派6代目イマーム・サーデグの生誕日に祝意を示すとともに、人間の能力ではその高貴な人物の偉大な人格を理解することはできず、その美徳をも表現することは不可能だとし、「偉大なる預言者には全人類に対する権利があり、誰もが彼に恩義を感じている。なぜなら、預言者は熟練した医師と同様、貧困、無知、抑圧、差別、欲望、不信仰、虚無感、倫理的腐敗、社会的危害などの主要な苦痛の全てを治すために必要な知識と実践的な処方箋を人類に与えてきたからだ」と述べています。
また、「無知からの侮辱行為によりコーランの弱体化を狙うことは幻想であり、それによりコーランの敵の内情が露呈されることになる」とし、「コーランは叡智と知識、人間育成と覚醒の書物である。そしてコーランに対する敵意は、実際にはこれらの崇高な概念に対する敵意に等しい」としました。
さらに、イスラム団結週間という機会に言及するとともに、イスラム諸国の指導者や政治家、イスラム世界の専門家に対し、「イスラム諸国の団結の敵は誰であり、イスラム教徒の団結が誰に危害をもたらし、またそれは敵の勢力拡大や略奪、干渉を阻止するのか?」との疑問を提起しています。
加えて、西アジア・北アフリカ地域のイスラム諸国の団結がアメリカの干渉や窃取、過剰な要求を阻止すると強調し、「今日、アメリカは政治・経済面で地域諸国に打撃を与えている。シリアの石油を窃取し、残忍で血に飢えたテロ組織ISISを自らのキャンプ内に留めておき、いざという時に戦場に連れ戻せるようにし、各国に内政干渉している。しかし、もし全員が団結し、イラン、イラク、シリア、レバノン、サウジアラビア、エジプト、ヨルダン、そしてペルシャ湾岸諸国が基本的かつ一般的な問題に関して統一した政策を採用すれば、覇権主義勢力は内政干渉できなくなり、もはやあえてそれらの国の内政や外交政策に介入しようとしなくなる」と語りました。
ハーメネイー師はさらに、地域のもう一つの問題、すなわちシオニスト政権イスラエルの犯罪について、「今日、この政権はイランだけでなく、エジプト、シリア、イラクといった周辺諸国すべてに対し深い恨みを抱いている」と述べました。
そして最後に、パレスチナ問題と同国民の祖国からの追放、拷問と殺害を過去数十年間におけるイスラム世界の第一の問題だとし、「イスラエルとの関係正常化に賭けようとする国の政府こそが損害を被ることになるだろう。それは、シオニスト政権はもはや死に体であり、いわばそのような国は競馬で負け馬に賭けているのに等しいからである」と結びました。