視点;エマーディー解説員
住民の6割が難民化したガザに沈黙する国連安保理
国連の統計によれば、パレスチナ・ガザ地区の人口の6割がシオニスト政権イスラエルによる攻撃で難民となりました。しかし、国連安保理はこれに沈黙し、西側の常任理事国はシオニスト政権に寄り添い続けています。
シオニスト政権による対パレスチナ攻撃は開始から2週間以上が経過しました。この間、4200人以上のパレスチナ人が殉教し、1万3000人以上が負傷しました。OCHA・国連人道問題調整事務所は、ガザで140万人が難民となり、54万4000人以上が国連が設置した緊急避難所に身を寄せていると発表しました。これは、ガザ地区の全人口200万人のうち6割が難民と化したことを意味します。
人々が難民となる原因のひとつに爆撃があります。
シオニスト政権は医療施設すら容赦することなく攻撃し、殺戮マシーンとして集団処罰政策をとっています。その最たる例が、少なくとも500人の殉教者を出したガザ地区のアル・ムアムダニ病院への爆撃です。
他には、シオニスト政権による断水、電気・燃料の遮断による難民化もあります。同政権のガラント戦争相は、ガザの全面封鎖を指示し、同地区へのすべての食料、医薬品、燃料、電気、水の供給を禁止しました。これにより、ガザ地区の医療施設は機能不全となり、女性や子供を中心とする患者らは死の危機に瀕することになりました。
OCHAは、電気や燃料の遮断は医療システムや清潔な飲み水の供給に致命的な影響をもたらすと強調しました。
親を失ったり、病気や飢え、空爆によるけがに苦しんだり、難民として行き場を失ったりしたガザの子供たちの映像は、見る者の心を締め付けます。
こうした状況にもかかわらず、安保理常任理事国の西側諸国は、こうしたシオニスト政権の犯罪に沈黙し、あるいはあからさまに同政権に寄り添っています。
安保理ではこれまでにガザでの停戦を求める決議が2回出されましたが、アメリカはこのいずれにも拒否権を行使しました。イギリスもシオニスト政権を支持し、スナク首相がテルアビブを訪問しています。
安保理の最大の任務は、世界における平和の確立と保持・拡大です。しかし、こうした西側諸国はそうした目的を追求しないばかりか、戦争犯罪者らに寄り添い、安保理をその犯罪の継続のために捧げているのです。
米英独の首脳は被占領地パレスチナを訪問し、シオニスト政権のパレスチナに対する攻撃、さらには強制移住すらも公式に支持しています。