イラン外相が国連事務総長に書簡を送付、「国際社会はガザでの大惨事阻止のため結集するべき」
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アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相
イラン外相が、パレスチナ・ガザ戦争勃発以来2度目となる国連事務総長との文書のやり取りで、「国際社会は新たな大惨事や災厄の発生を阻止すべく結集すべきである」としました。
アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相は、ガザ戦争勃発以来2回目となる、グテーレス国連事務総長に宛てた正式な書簡において、「都市・行政インフラ、病院、教育機関の意図的な破壊は、今世紀の国際社会にとって恐ろしい展望だとし、シオニスト政権イスラエルの地上侵攻とそれを阻止できない国際社会の無策ぶりが大量虐殺の下地となるだろう」と述べています。
また、最近のガザ攻撃というイスラエルの行動を「戦争犯罪」だとし、この占領政権がこれまでに30以上の国連安保理決議に違反していることを指摘するとともに、パレスチナ被占領地でのこれまで75年間に渡るイスラエルの占領行為の中での、国際法規および国際人道法の原則に対する公然とした複数の事例について国連事務総長に注意喚起しました。
さらに、グテーレス事務総長に対し、国際法規に違反するシオニスト政権の行動への非難、無条件での侵略の即時停止、ガザ封鎖の解除、ガザ住民への自由な国際人道援助の受領のために必要な措置を講じるよう要請しました。
そして、SCO上海協力機構の張明事務局長に宛てた書簡でも、ガザ地区での攻撃停止、人道に対する犯罪の停止、そして侵略者政権の問責・訴追にかかわるSCOの対応を要求しています。
アミールアブドッラーヒヤーン外相はさらに5日日曜夜、BRICS新興経済国グループ内の5か国(インド、中国、ロシア、ブラジル、南アフリカ)の各国外相らに宛てた個別の書簡において、イスラエルの犯罪への強い懸念と憂慮を表明するとともに、ガザ地区での攻撃の阻止、人道に対する犯罪の阻止、そして治安維持のために、このグループの加盟国に対し、積極的で建設的かつ責任ある介入および、侵略・占領者に対する問責・訴追を呼びかけました。
加えてこの書簡において「パレスチナ領土の本来の住民からの領地没収、大量殺戮、民家や農場の破壊、医療機関への攻撃、成人男女さらには子供にさえ容赦しない逮捕・拷問、パレスチナ国民の尊厳の侮辱、これらは占領政権がパレスチナ被抑圧民の権利に対し引き起こした犯罪、および違法行為の氷山の一角に過ぎない」と強調しています。
ガザ爆撃および、パレスチナ人の女性や子供の殺戮が続いている一方で、イスラエルを支持している西側諸国はこれまで国連安保理での停戦決議案に拒否権を行使したか、あるいはパレスチナ人殺害と爆撃の阻止に努めるのではなく、イスラエルをさらに支持する決議の採択を画策しています。
ガザ地区にあるパレスチナ保健省は5日日曜、「先月7日以来、イスラエルのガザ地区攻撃による殉教者の数は9,770人に達し、このうち4,800人が子供、2,550人が女性、596人が高齢者である。また、最新の負傷者数の統計は2万4808人に達した」と発表しました。