核合意に対する西側の違反
(last modified Sat, 09 Jul 2016 10:19:56 GMT )
7月 09, 2016 19:19 Asia/Tokyo
  • 核合意に対する西側の違反

核合意の包括的共同行動計画に関する西側の違反行為は続いており、この中で、国連のパン事務総長は、核合意の条項に関する情報のないまま、イランのミサイル計画は、核合意の精神にそぐわないものだとしています。

モッラーイー解説員

パン事務総長のこの立場は、核合意の中でイランのミサイル能力について何の協議も行なわれておらず、またイランもミサイル計画については、譲れない一線と表明している中でとられています。ロイター通信によりますと、パン事務総長はイランの核合意に関する機密の報告の中で、イランのミサイル実験は、核合意の精神にそぐわないとしています。

パン事務総長はまた、イランのミサイル計画とその実験が核合意に違反するか否かについての決定は、国連安保理の責務だと語っています。

ロイター通信によれば、パン事務総長は国連安保理の理事国15カ国向けに、6ヶ月間の核合意の実施状況に関する報告を作成したということです。

こうした中、イラン外務省の高官はパン事務総長に対して、理事国向けの6ヶ月間の報告は、核合意の精神に反する解釈を控え、アメリカの責務怠慢を扱った公平な報告を提出するよう勧告しました。

核合意の実施から数ヶ月がたっていますが、いまだに包括的共同行動計画を完全に履行する上での障害が存在しており、それを取り除くため、イランのザリーフ外務大臣は、最近のヨーロッパ訪問において、重要な外交的努力を行いました。

イランは繰り返し、ミサイル計画が完全に防衛的な側面を持っており、それらは核弾頭を搭載するよう設計されていないと表明してきました。つまり、国連安保理2231の違反には当たらず、これは核合意とは何の関係もありません。

イランに対する航空機の売却を妨げるアメリカ議会の最近の法案は、何よりもアメリカの一部の支配的な集団が核合意の結果に満足していないということを示しています。この可決は、イランに対するアメリカの圧力行使であり、なぜならアメリカが対イラン制裁が効果的で、これを維持するという結論に達しているからです。

核合意の実施に関して、アメリカの政府関係者の多くは否定的な立場をとっており、両国の緊張を拡大したいとする傾向にありますが、核合意も、どのような国際法規も、イランの主権を侵害することは認めていません。

イラン外務省のガーセミー報道官は、アメリカ下院が最近、ボーイング社のイランへの航空機売却を妨害する法案を可決したことに反応を示し、アメリカ国内の団体による大統領選前の過剰反応は理解できるが、この国内の対立や妨害、違約による取り返しのつかない損害は、彼ら自身に及ぶと強調しました。

アメリカの共和党や民主党右派勢力は、制裁を継続することで、イランはおそらく彼らの無責任な行動が正当化されるような動きをおこなうと考えています。こうした中、核合意の実施宣言から6ヶ月が経過し、イランと世界各国の関係が改善し、経済が開かれたものになっているのにもかかわらず、包括的共同行動計画の実施に関する懸念は、今なお根強く残っているのです。