イランとSCO上海協力機構加盟国との非石油製品取引の増大
(last modified Thu, 15 Feb 2024 12:34:39 GMT )
2月 15, 2024 21:34 Asia/Tokyo
  • SCO上海協力機構加盟国
    SCO上海協力機構加盟国

SCO上海協力機構が公表したデータから、同機構加盟国とのイランの貿易量が、対イラン制裁にも関わらず増加していることが明らかになっています。

2023年3月21日から2024年1月20日までの10カ月間(イラン暦今年最初の10カ月間)で、イランSCOの加盟国および11のオブザーバー国との間で、371億3847万3000ドルに相当する6431万1000トンの非石油製品が通商取引されました。これらの数値は、前年同期と比較して重量で40.7%、金額で5.5%も増加しています。

近隣諸国や同盟諸国との関係発展および協力の強化は、イラン第13期政権の最も重要な戦略の1つとされており、同国にとってもプラスの結果をもたらしています。SCO加盟はこのアプローチの成果の一つです。イラン政府は本格的な外交活動を講じた結果、SCOの全加盟国から自国の加盟について賛同を得ることに成功しました。

現在、SCOの正式な加盟国はイラン、インド、カザフスタン、中国、キルギス、パキスタン、ロシア、タジキスタン、ウズベキスタンとなっています。

SCOは加盟国の総人口の合計が30億人を超えるとともに、世界のGDP国内総生産の20%以上を占め、核保有4カ国と2つの国連安保理常任理事国を有するという利点により、特にイラン経済をはじめとした地域協力の強化において有益な存在と見なされています。

SCOは当初、安全保障と政治協力を基盤として設立されましたが、近年は特に西側諸国がロシアと中国に対する制裁を発動してからというもの、この組織はさらなる経済協力への傾向を強めています。

こうした状況の中、イランの地政学的地位と膨大な石油・ガス資源は、SCO加盟国にとって貿易・経済関係を発展させる適切な機会となっています。イランは、複数の地理的地域を網羅する世界でも数少ない国の1つです。実際、イランはペルシャ湾、西アジア、中央アジア、コーカサス地域、インド亜大陸といった地域に位置しており、アジア、ヨーロッパ、アフリカの各大陸間の架け橋として特別な中継位置にあるとみなされています。

イランとSCO加盟国との通商交流の拡大傾向は、地域・国際舞台における一大経済勢力としてのこの地域的組織の枠組み内での協力が、現在制裁下にあり石油収入依存からの脱却を目指すイラン経済にとって適切な機会であるという事実を示しているのです。

 


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