3月 26, 2024 14:43 Asia/Tokyo
  • イランで衛星が製造中、過去20年間に宇宙分野で大躍進
    イランで衛星が製造中、過去20年間に宇宙分野で大躍進

イラン航空宇宙産業にとって、イラン暦の昨年1402年(2023年3月21日~2024年3月19日)は7回の打ち上げにより非常に実りある年となりました。新しく迎えた1403(2024年)年も、20基の衛星製造や宇宙ステーションの設置により、非常に繫栄した年となることが予想されています。

イランの宇宙産業の専門家やこの分野の科学者たちがこの1年間に挙げた成果としては、10ヵ年国家宇宙産業計画の立案と最高宇宙評議会における承認、新しい衛星の披露、7回の実験・実用的打ち上げ、他の宇宙技術保有国との国際協力の拡大、南東部チャーバハールでの国内最大の宇宙基地の建設開始、故ソレイマーニー・イラン革命防衛隊司令官の名を冠した衛星システムの構築開始などが挙げられます。

そのうちのひとつ観測・偵察衛星「ヌール3」は、昨年9月25日、シーア派12代目イマーム・マフディーのイマーム位就任記念日の週に合わせて、複合燃料式3段ロケット「ガーセド」によって秒速7.3kmで宇宙に打ち上げられ、高度450kmの地球周回軌道に乗りました。

イランが昨年の宇宙分野で成し遂げたもう1つの成果には、10年ぶりに生物を宇宙へ送り出したことが挙げられます。イランの最新式バイオカプセル「カーヴォシュ」は、国産打ち上げロケット「サルマーン」によって成功裏に宇宙への送られました。

 

イラン製打ち上げロケット「サルマーン」

 

このバイオカプセルは、有人宇宙飛行ロードマップの実現につながる科学・研究・技術用カプセルであり、必要な技術の開発・獲得を目的に高度130kmの高さに打ち上げられました。

 

 イラン製バイオカプセル

 

イラン航空宇宙機関の委託により、同国科学技術省航空宇宙研究所が建造したこの500kgのカプセルの打ち上げが成功したことから、衛星の打ち上げ・回収、速度制御・衝撃緩衝システム、カプセルおよび展開アンテナの空力設計、さらに生物学的状況の観測・制御システムといった宇宙計画の様々な技術の発展的実験が行われました。

また、今年1月にはイラン・イスラム革命防衛隊航空部隊の開発したロケット「ガーエム100」により、イラン宇宙研究所が建造した研究用衛星SRIシリーズの国産衛星「ソライヤー」が高度750kmの地球周回軌道に成功裏に送り込まれ、これにより同国の衛星打ち上げ高度の記録が更新されました。

 

 打ち上げロケット「ガーエム100」

 

約500kmの軌道に100kgの物体を運ぶ能力を有するこの固形燃料式打ち上げロケットは、3回目の打ち上げ実験で国内の打ち上げ記録を更新し、約50kgの質量を有する衛星ソライヤーを、高度750kmの軌道上に乗せることに成功しました。

この打ち上げは、衛星をより高い軌道へ投入する能力につながる重要なステップとされています。

イランの宇宙専門家は今年2月、国産衛星打ち上げロケットによって国産衛星3基を軌道上に同時投入することに初めて成功しました。

国産の3基の人工衛星「マフダー」「ケイハーン2」「ハーテフ1」は、イラン国防軍需省が製造した打上げロケット「スィーモルグ」によって、成功裏に高度450kmの地球周回軌道に乗りました。 

 

 

打上げロケット「スィーモルグ」 

 

 

「マフダー」は、設計、建設、組み立て、試験のいずれの段階もイラン宇宙研究所で行われた研究用衛星であり、2つの超小型衛星(ナノ衛星)である「ケイハーン2」と「ハーテフ1」もイラン電子工業会社により設計され、打ち上げ用の準備が整えられました。

イランが直近で衛星を打ち上げたのは、今年の2月29日です。同日には、一連の研究用観測衛星のうち重量134kgの衛星「パールス1」が、ロシア・ボストチヌイ発射基地から同国のロケット「ソユーズ」によって打ち上げられ、高度500kmの太陽同期軌道に投入されました。

 

 

 

観測衛星「パールス1」の打ち上げ

 

 


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