イラン最高指導者「学生は求める者であるべき」 大学生ら3000人との会合で
イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師が7日日曜、例年のラマダーン月と同様に国内の大学生約3000人との会合を行い、政治、社会、文化、学問分野の学生団体の代表らと会談しました。
会談ではまず、学生団体の代表数人が、イランと世界の問題をめぐり自身の見解や批判、提案を述べました。
ハーメネイー師は、その後の討論の冒頭で、
「人々と社会を見つめ、問題の解決策を提示することは、学生が必ず行うべき義務の一つだ。保守的になる、批判をしない、欠点を指摘しないなどの行動は、絶対に勧めない。我々は、自身のあらゆる言葉や行動に、十分な注意を払わなくてはならない」
と説明しました。
続けて、旧パフラヴィー政権の腐敗体制や同政権関係者の裏切りの現実について触れながら、
「あの(パフラヴィー政権の)時代は、イランという偉大な国の長に、あらゆる種類の腐敗にまみれた卑しい一族が座り、人々を支配していた。社会の運営にも絶対的専制が敷かれ、今日とは異なり、人々は国の問題に参加・関与しておらず、表舞台にいなかった」
と述べました。
ハーメネイー師が挙げたイスラム革命以前の現実は、外国の政治的傀儡となり服従する、人々への抑圧的・横暴な行動、極端な階級差、公正の無意味さ、激しい差別、政権の全関係者・責任者の独占などでした。
同師は、
「イスラム共和国の理想は、『イスラム的方法での国の統治』と『世界の人々に向けた、国の良い統治のための模範の提示』という2つに集約される」
としました。
また、
「公正さは、公的機会の利用における階級格差の否定や、人々への平等な機会の提供などを意味するということが、正しく理解されるべきである。そのような機会の利用に特権を設けることは、圧政かつ不公正である」
と指摘しました。
さらに、
「世界の人々に統治の模範を示すというイスラム共和国の第二の理想は、実のところ、世界の人々に対する同情と慈悲と言える。この理想は、一部の面ではある程度実現されている。あなた方のような若者を興奮させ、あなた方が誇っているような地域・世界レベルの出来事の多くは、あなた方の国、社会、革命に関連したものなのである」
としました。
一方、知識は大学の支柱であるとしながら、大学の主な3つの義務が「学者の育成」「学問的生産」「この二つの義務に方向性を与えること」であると強調しつつ、「世界の諸大学は、学者の育成と学問的生産に方向性を与えるという義務において問題を抱えており、そのために、彼らの成果は覇権主義勢力やシオニスト政権イスラエルの道具とされている」と述べました。