パレスチナの苦難・希望を歌にしたイラン人歌手
モフセン・チャーヴォシー氏は、圧政下にあるパレスチナの人々の苦しみを曲にして歌ったイラン人歌手です。
「パレスチナ」という曲は、第2次インティファーダ後の2006年にチャーヴォシー氏が発表した楽曲です。
この曲はチャーヴォシー氏自身が作曲し、シャハーブ・アクバリー氏が編曲、アミール・アルジーニー氏が作詞を担当しました。
悲しげな声でエレジーのように始まるこの曲は、冒頭で、一刻も早く圧政や暴虐が消えてほしいと世界に訴えます。
次に、国際体制の不公正や一部諸国の横暴などに言及しながら、パレスチナが敵たるシオニスト政権イスラエルに占領されていることへの不満を示し、この土地から略奪者を追いやるよう神に求めます。
歌詞は続けて、殉教した子どもたちを埋葬しなければならないパレスチナ人の父や母の悲しみに触れ、このような経験は辛いものだと説明します。
その後、調子を変えて、悲しみと苦難の状況を希望に満ちたものに変えるような、英雄的行動を呼びかけます。
そして、パレスチナの今の状況は暗いものの、その夜のような暗闇の後は必ず光に溢れると強調します。
さらに、「人々の誠実な手」という比喩的表現を用いながら、パレスチナ解放に向けて行動を起こしたり、パレスチナが侵略者から解放されるように神に祈ったりするよう、全人類に求めます。
歌詞に出てくる「パレスチナ人」は、パレスチナの人々、そして象徴的に、暴虐に対する彼らの激しい抵抗を指しています。この曲の最後では、完全な自由を取り戻しパレスチナ人を本来の美しい姿にするための闘争は止まらないだろうとされています。
チャーヴォシー氏は、平和の確立と人権の尊重に常に努め、それらのテーマに敏感に反応してきたアーティストです。同氏は最近にも、シオニスト政権イスラエルによるガザ・ウメダーニ―病院への攻撃を受けて自身のインスタグラムに、パレスチナ国民への同情を示す投稿を行いました。
「パレスチナ」の歌詞は次のようなものです;
世界はいつまでこんな状況なのだろう?
話される言葉は、いつまで理不尽なものなのだろう?
このあらゆる暴虐のせいで、世界は
誇れるものなど何もないように見える
ああ、神よ!私たちの土地から
敵の手が再び遠のく日がきたら、どうなるだろう
子どもたちが私の目の前で暗い墓に行く運命なのは、とても辛く悲しい
ああ、圧政に沈むパレスチナの街よ!
その暗い日々が光に溢れるのを、私は見ることだろう
ああ、誠実な手を持つ者たちよ!
私は敵の目を見えなくさせたい
パレスチナの人々よ、私が沈黙する理由はない
私はあなたのために戦う、最も美しい人々