イラン大統領選決選投票に向け第1回討論会実施:両候補は何を語ったか?
第14期イラン大統領選決選投票に進出したペゼシュキヤーン候補とジャリーリー候補が、2人による第1回討論会において政治・文化の問題を中心に自らの見解を述べました。
【ParsTodayイラン】イランでは第14期大統領を決める選挙が先月28日に実施され、どの候補も過半数の票を獲得しなかったことから、上位2人のマスウード・ペゼシュキヤーン候補とサイード・ジャリーリー候補で決選投票を行うことになりました。
1日月曜夜には、この2候補による第1回討論会がイラン国営放送のスタジオで実施され、2時間以上にわたる白熱した議論が地上波で生中継されました。
この記事では、その討論会の様子を要約してお伝えします。
両候補による討論内容
ペゼシュキヤーン候補は今回の討論会で、政権運営には3つの原則があると述べ、1つ目は運営者が誰であるか、2つ目はどのように実施するか、3つ目は説明責任を果たすことだとしました。
そして、運営の技術として、ピークに到達したり目標を遂げたりするために人間はさまざまな代替案を考えておくことが可能だとしながら、
「私はこのような方法を取り、もし実現できなければ、別の方法を取る。我々が代替案を多く用意しておくほど、成功が保証される」
としました。
また、
「私にとって外交政策とは、この先の脅威と危機を誠実かつ現実的に判断することである。また、交渉と協力、国益確保、そして輝かしいイランの文明と偉大さからのインスピレーションである。私の外交政策は人々の幸福のためにあり、次の世代が生活の中で心の安らぎと安定を持てるようにし、経済を成長・発展させ、意欲を持たせたり持続させたりするためのものである」
と述べました。
そして、
「イスラム革命最高指導者とホメイニー師の政策は、東寄りでも西寄りでもない。その中では、我々は利益、英知、名誉に基づき動くべきだとされている。我々は、自身の名誉が守られ利益が必要とするあらゆる場所に出向き、話をするだろう」
としました。
一方、ジャリーリー候補も討論会で、
「今回の選挙期間中に全世界がその結果を注視していた。それは、これが事前に結果が決められた選挙ではなかったからだ。票を投じることで決定者となったのは国民であった。そして、次の金曜日にも再び同じ様になるだろう」
と述べました。
また、今日イランにある力、発展、進歩、成功は国民の参加があった結果だと指摘しながら、
「私が自身の政権で行う計画の一つは、間違いなく国民の参加である。経済、文化、政治といったさまざまな分野における国の運営への人々の参加は、日を追うごとに真剣みを帯び効果的なものになっていくだろう」
と説明しました。
その上で、イラン政府の掲げるスローガン「機会のある世界、飛躍するイラン:全イラン国民に輝かしい役割」に触れ、「すべてのイラン人が、自分の才能にふさわしい役割を担うことが可能だと感じられるべきである。そして政府は、そのような役割を創出しなくてはならない」としました。
討論会全体の様子
イラン大統領選決選投票の第1回討論会は、国歌演奏とコーランの朗読により始まりました。
様々なテーマをめぐって丁々発止に交わされたペゼシュキヤーン候補とジャリーリー候補の議論は、非常に引き付けられるものでした。
ペゼシュキヤーン候補がイマーム・アリーの言辞集『雄弁の道(ナフジョルバラーゲ)』の知恵を思い出そうとする際にジャリーリー候補が助け舟を出した場面は、見所の一つだったと言えます。
今回の討論会ではまた、両候補ともに討論の上の礼節を守る様子が目にとまりました。
ペゼシュキヤーン候補とジャリーリー候補は、討論会の最後に抱擁を交わしました。
第9代大統領を選ぶ決選投票は、今月5日にイラン全土で実施される予定となっています。