イラン最高指導者が語る大統領としての資質
イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師は7日、故ライースィー大統領が率いた第13期政権の閣僚らと会談し、ライースィー氏の人柄や仕事ぶりについて、「国民の問題を解決するための不断の努力、信仰・革命に対する明確な姿勢、国内の可能性への信頼、毅然とした外交政策」などを秀でた特徴として挙げました。
【ParsTodayイラン】この日は、第13期政権とハーメネイー師の最後の会談となりました。ハーメネイー師はこの中で、同政権を「仕事、希望、行動の政権だった」とし、「ライースィー氏は実に将来に希望を持ち、正しい側に立って、定めた目標を達成するという断固たる決意を持っていた」と振り返りました。
そして、庶民の側に立ち続けたライースィー氏の特徴を「きわめて重要なもので、国政に携わるすべての者にとって手本となる」とし、
「ライースィー氏は人々に敬意を表し、常に人々の中に分け入ってその声を聞いた。そして、彼らの問題を解決することを計画の中心に据えていた」
と述べました。
また、「庶民の側にあること」はイスラム教が国政責任者に求める資質だとし、シーア派初代イマーム・アリーが自らの部下に出した指示を引き合いに出し、
「イマーム・アリーは、庶民が望む仕事が自分にとって最もやりがいのある仕事であるべきだと語った。なぜなら、あらゆる事柄、特に敵と対峙する上で団結する際、助けとなってくれるのはその庶民だからだ。変な期待を抱いている者や自分の利益だけを追求する特定の層ではない。そのような層と仕事をしても社会の団結は実現しない」
と語りました。
そして、そのような庶民の団結がイラン・イラク戦争をはじめとする様々な場面で見られたとし、ライースィー氏をイマーム・アリーの掲げた理念を追求した手本となる人物だとしました。
ハーメネイー師はまた、ライースィー氏が国内の可能性・能力を信頼していたことを挙げ、「これまでどの政権に対してもこの内容について話してきた。誰も反対した者はいなかった。しかし、ライースィー氏が名実ともに、国の抱える問題を国内の能力で解決できると信じていたことは誰もが理解するところだ」と述べました。
また、ライースィー氏の信仰・革命に対する姿勢についても、「裏表のある発言や他者への忖度を嫌った」とし、
「ライースィー氏は言ったことを実行する人物だった。彼の就任後最初のインタビューで、ある国との関係改善をするかと問われた際、明確に『ノー』と答え、最後までそれを貫き通した」
と評価しました。
さらに、ライースィー政権の対話を重視しつつ毅然とした姿勢を保った外交政策について、「ライースィー氏は他国と関係を結ぶことの重要性を信じ、対話を重んじていた。その一方で、過激にもならず従属的にもならない毅然とした姿勢を唱えていた」としました。
そして、「近隣諸国を中心として、様々な国とそのような威厳を保った姿勢で関係を築いたことが、彼の殉教後に世界の多くの指導者から弔辞が届き、ライースィー氏を単なる政治家としてではなく一人の傑出した人物として称えたことにつながった」と述べました。
ハーメネイー師は他にも様々なライースィー氏の長所を挙げ、「こうした長所は、政府が思想、気概、実行力を併せ持ち、それらを政策実現において追求できることを示した」と語りました。
ハーメネイー師は会談の最後に、先の大統領選挙が無事に行われたことについて、国民や政府関係者、内務省、国内メディア、治安機関に謝意を表明し、「一部の国では選挙は対立や騒乱を伴うが、イランでは最良の形で行われた」と評価しました。