イラク旧サッダーム政権の化学兵器計画の支援者を処罰する必要性
OPCW・化学兵器禁止機関の第106回執行理事会で、オランダ駐在のイラン大使が、イラクのサッダーム旧独裁政権の化学兵器計画を支援した外国の人物を訴追・処罰する必要性を強調しました。
【ParsTodayイラン】ハーディ・ファルジュヴァンド駐オランダ・イラン大使は、OPCW第106回執行理事会で、サッダーム政権の化学兵器計画を支援した外国人らの訴追と処罰を求めました。イラクの旧バアス党政権は、8年間にわたったイラン・イラク戦争中、化学兵器の使用が禁止されていたにも関わらず、アメリカと西側政府の直接支援を受けて、イラン領土の一部を化学兵器で爆撃しました。
バアス党政権の関係者らは、1980年10月18日から1988年8月24日までに、合計582回の化学兵器による攻撃を実行しました。これらの攻撃の結果、1万人以上が殉教、約10万人が負傷して継続的な治療が必要となり、25万人が軽傷を負いました。
バアス党政権はまた、1987年6月28日と29日の2日間に、イラン北西部の国境都市サルダシュトの4つの密集地域を化学爆弾で攻撃しました。これにより、民間人110名が殉教したほか、8000名が有毒ガスにさらされ中毒症状を起こしました。
サルダシュトへの化学爆撃は史上最悪の化学兵器攻撃であり、多くの悪影響と問題を引き起こしました。その結果、サルダシュトは、爆撃の範囲と程度、そして1945年の広島市への原爆投下後としては世界初の化学兵器の被害を受けた都市として知られています。
この会合で、ファルジュヴァンド大使はまた、パレスチナのガザ地区およびヨルダン川西岸、レバノンへの攻撃においてシオニスト政権イスラエルが引き起こした犯罪を指摘し、化学兵器禁止条約(CWC)および、イスラエル政権が保有する化学兵器の廃棄の必要性を強調しました。
駐オランダ・イラン大使の演説におけるもう1つのポイントは、CWCの全加盟国が医療品や設備の輸入などにおいて便宜を受けられる必要性を指摘したことです。同大使はこれに関連して、「イランの化学兵器による傷痍軍人が必要とする医薬品や医療機器の供給の妨害や制裁は、人権条約や規則に違反している」と述べました。
イラン・イラク戦争では、32の外国企業がイラクに対し化学爆弾やマスタードガスの製造に使用される化学物質を提供していました。また、イラクのバアス党政権はイランの戦闘員や避難場所のない人々に対しこれらの化学爆弾を使用しました。
イランは2003年に初めて、オランダ・ハーグの国際法廷において、イラクに化学物質を提供した企業の経営者の1人を相手取って訴訟を起こしました。
サルダシュト市民でつくる「化学兵器被害者の会」の提案により、サルダシュトが攻撃されたイラン暦ティール月8日に当たる西暦6月28日は、「化学・生物兵器との闘いの日」に制定されています。
この日は、西側諸国の犯罪の新たなページを示し、西側諸国による重大な人権侵害を想起させるとともに、大量破壊兵器への効果的な対処に向けたイランの誠実な努力を物語っています。