イラン外相代理、「パレスチナは”移入ユダヤ人”のものではない」 米CNNインタビューで
(last modified Sat, 20 Jul 2024 09:03:46 GMT )
7月 20, 2024 18:03 Asia/Tokyo
  • イラン、アメリカ、西アジアに関する7つの質問に答えたバーゲリーキャニー外相代理
    イラン、アメリカ、西アジアに関する7つの質問に答えたバーゲリーキャニー外相代理

イランのバーゲリーキャニー外相代理が米CNNの番組「Fareed Zakaria GPS」に出演し、番組ホスト・ザカリヤ氏の質問に答えました。

【ParsTodayイラン】バーゲリーキャニー外相代理はこのインタビューにおいて、シオニスト政権イスラエルが過去9カ月間にガザで犯罪を行ってきたものの、状況を自らにとって有利にすることはできておらず、この先も犯罪を重ねればそれだけ状況の悪化を見ることになると強調しました。

バーゲリーキャニー外相代理は、抵抗の枢軸の活動およびイスラエル政権の行動に対する反応についてのザカリア氏の質問に答えて、次のように述べました。

 

「(パレスチナ抵抗勢力がアクサーの嵐作戦を行った)昨年10月7日以前、イスラエルに対しイラクやイエメンから攻撃が行われることは全くなかった。それらは、10月7日以降に行われたものだ。我が国も、10月7日以前にイスラエルに対して直接的な攻撃は行っていなかった。しかし同政権は、シリア・ダマスカスのイラン大使館を攻撃して上級司令官数人を殉教させた後、占領地内でイランのミサイル攻撃を受けることになった。このようにイスラエル政権は、この9カ月間に犯罪を継続または激化させた分だけ、よりはっきりした攻撃を受けることになったのだ」

 

さらに、地域で戦火が拡大する可能性についての質問に答え、イスラエルによるレバノンへの攻撃に触れながら、自国が地域での緊張増大と戦火がガザから拡大することを全く歓迎しておらず今後も歓迎することはないと説明し、次のように述べました。

 

「地域内の他の場所へ紛争と緊張が拡大することは、戦略的な過ちである。それは確実に、イスラエルに利益ではなく深刻な危機をもたらすだろう」

 

また、パレスチナ問題の二国家解決案をめぐるイランの見解についての質問に、パレスチナ人の将来について決定する権利は彼ら自身だけのものであることを強調しながら、次のように答えました。

 

「我が国が提案するのは、パレスチナの人々全員による住民投票の実施である。これには、現在占領地内に住む人々、イスラエル政権の圧力により占領地を離れざるをえなかった人々も含まれる。イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒の別なく、全員がこの住民投票に参加して、自国の将来とその政治のメカニズムについて決定すべきだ」

 

その上で、パレスチナ国土は「移入したユダヤ人」ではなく本来の所有者のものであるという考えを示しながら、次のように指摘しました。

 

「パレスチナの人々についてなぜ、(国連本部のある)ニューヨーク、(米政府のある)ワシントン、(EU本部のある)ブリュッセル、あるいは世界の他の場所で決定が下されなければならないのか? 一体誰が、そのような権利を他者に与えたというのか? パレスチナの人々がニューヨークにいる者たちに、自分たちの代わりに決定を行う権利を与えたと言うのか? なぜパレスチナの人々が、自分たちの将来を自分たちで決めることが許されないのか? 我々からすれば、住民投票は最も論理的、民主的、かつ恒久的な解決策だ」

 

一方、トランプ米前大統領暗殺未遂事件をめぐりイランの関与が主張されていることについて、また、この事件がアメリカによるイランのソレイマーニー司令官暗殺というテロ行為と関係があるかという質問に対しては、そのような主張を否定しながら次のように答えました。

 

「我が国は、自身の権利を守り、ソレイマーニー司令官暗殺事件の指示、実行、差配を担った者たちをそれぞれ正義の手に委ねるべく、国内外の法と司法のメカニズムを活用しているのであり、今後もそれは続けられる」

 

続けて、核合意とイランの平和的核活動に関連した、核協議再開の可能性と、アメリカがイランとの新たな合意締結を望んでいるかどうかについての質問に答え、イランはアメリカとの新たな合意を全く求めていないことを強調しながら、次のように述べました。

 

「核合意は、我が国と5+1か国の最終合意により締結したものであった。そこから離脱して合意に損害をもたらしたのは、米国自身だ」

 

その上で、イランは依然として核合意のメンバーであるとしながら、次のように付け加えました。

 

「米国は、未だに核合意のメンバーに復帰できていない。我々(=核合意メンバー諸国)が目標としているのは、2015年の合意の復活である」

 

また、核兵器の製造・使用の禁止に関するイスラム革命最高指導者ハーメネイー師のファトワーをめぐる質問に対しては、イラン最高指導者が宗教だけでなく政府の最高権威でもあることを強調しながら、次のように述べました。

 

「ハーメネイー師が発した命令やファトワーは、すべての政権関係者にとって実施が義務とされるものである。誰もこれに反することはできず、そのつもりもない」

 

ザカリヤ氏はこの他、イランとサウジアラビアとの関係およびサウジ皇太子のイラン公式訪問合意についても尋ねましたが、バーゲリーキャニー外相代理はこれに対し、次のように説明しました」

 

「両国首脳の相互訪問に向けてはすでに話し合いが行われ、それぞれの外務省がこれを実施事項に据えている」

 

 


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