イラン国防相候補の提示した9つの計画;上海協力機構・BRICSとの協力拡大・敵を出し抜く新軍事技術の拡大
(last modified Wed, 21 Aug 2024 10:23:50 GMT )
8月 21, 2024 19:23 Asia/Tokyo
  • イラン国防大臣候補のナスィールザーデ氏
    イラン国防大臣候補のナスィールザーデ氏

イラン新政権が国防大臣候補としているアミール・ナスィールザーデ氏が、行動的抑止力の強化と新技術の拡大を強調しながら、自国の安全・権威を高める断固とした計画を提示しました。

イラン国防大臣候補のナスィールザーデ氏は、行動的抑止力の強化、国内能力の活用、知識企業との連携、新技術への特別な投資を強調しながら、脅威に対して自国の安全・権威を維持する包括的諸計画のプレゼンテーションを行い、防衛外交および上海協力機構やBRICS新興経済国グループを中心とした国際協力拡大の重要性について説明しました。

この記事では、同氏が提案した9つの計画をご紹介していきます;

 

1.行動的抑止力の強化と外からの脅威への対処

ナスィールザーデ氏は、国防省の重点目標のひとつとして行動的抑止力の維持・強化が重要であることを強調しました。抑止力は敵による自国への攻撃の阻止を意味すると考える同氏は、これまでにこの分野で取られてきた措置について触れ、「我々は、行動的抑止力という最終目標に到達すべく、これらの措置を行ってきた。このような抑止力が我々になければ、敵は間違いなく我が国を攻撃していただろう」と述べました。

 

2.国内能力活用への注力および知識企業との連携

ナスィールザーデ氏が提示した基軸計画のひとつは、知識企業などとの協力により、国内の能力に依拠していくことです。同氏は、自国の防衛および安全保障の基盤強化にはこれらの能力の活用が重要であると強調しながら、「我々は、知識企業を中心とした国内の能力を活用しており、現在、知識企業1300社や民間企業7000社と連携を行っている」としました。

 

3.地域・世界レベルでの積極的防衛外交の促進

ナスィールザーデ氏は、地域での自国の権威維持と影響力拡大につながる手段として防衛外交が重要であることを強調し、「権威を維持し既存の能力を活用しつつ、地域諸国に対し積極的外交を行っていくことは、今後4年間の国防省の諸計画のひとつである」と説明しました。

 

4.国防関連製品・システムの防御力向上

ナスィールザーデ氏は、技術的な破壊行為から自国の防衛システムやその関連製品を守っていく必要性を強調し、「命運を握る重要システムへの干渉のようなあらゆる破壊行為を阻止することは、国防省の優先事項のひとつとなる」と強調しました。

 

5.防衛技術の変化の継続的モニタリング

ナスィールザーデ氏は、防衛分野における技術的変化の継続的モニタリングと敵を出し抜く技術の獲得の必要性を強調しながら、「このようなアプローチは、我が国の防衛技術の優位性維持につながる。世界における防衛技術の変化を継続的にモニタリングし、敵を出し抜く製品技術を獲得することは、我々の優先事項のひとつとなる」としました。

 

6.抵抗戦線への効果的な後方支援継続

ナスィールザーデ氏は、国防省が国際・地域の場で覇権主義と戦う抵抗戦線を後方から公式・非公式に支援していることを強調しながら、「国際・地域の場において公式・非公式な形で覇権主義と戦う抵抗戦線への効果的後方支援を続けていくことは、我々の基本計画のひとつとなる」と述べました。

 

7.制裁への対策とイランの軍事的独立維持

ナスィールザーデ氏は、自身の優先事項のひとつが防衛・安全保障分野における圧政的制裁への対策であると明言しながら、「これらの制裁が我が国の防衛能力を低下させることは、あってはならない。私の計画では、国内の力に依拠してこれらの問題に対処していく」と強調しました。

 

8.研究および新防衛技術の拡大

ナスィールザーデ氏は、自国の軍事力を向上させる新防衛技術の拡大や研究プロジェクトの実施の重要性を指摘しながら、このようなアプローチが自国の安全維持だけでなく新たな脅威への備えにも役立つと強調し、「我々は、学術機関などのあらゆる実際的・潜在的能力を使い、『真実の約束』のような軍事作戦の経験を活かしていく」と述べました。

 

9.国際的協力の拡大と、新たな世界的能力の活用

ナスィールザーデ氏の別の基軸計画となっているのは、近隣諸国との国際的協力拡大および、上海協力機構・BRICSなどの力の活用です。こうした協力が自国を守るための資源および能力の強化に役立つと考える同氏は、「我々は、上海協力機構およびBRICSのメンバー諸国を毎月のように訪問し、これらの組織に直接顔を出すことで、積極的な後方支援・権威の向上・収入につながる多様な研究や新モデル活用の可能性の創出という枠組みの大元となるものを、恒久的に確保しようと努めている」と説明しました。

 

 


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