ロシアによる南コーカサス緊張増大へのイランからの反応
9月 07, 2024 18:43 Asia/Tokyo
ロシアとアゼルバイジャンがアルメニア領をまたいでアゼルバイジャンとその飛地領を結ぶ回廊構想に同意したことについて、イラン国会のニークザード副議長は両国に対して既存の国境線を尊重するよう忠告し、イランはいかなる現状変更も容認しないと強調しました。
【ParsTodayイラン】ニークザード氏は自身のXに、
「隣国との国境に関するイランの戦略的姿勢は、安定的で国益に資するものであるべきだというものだ。バクーで開かれた議長会議で述べたように、我々は国境線の変更を容認しない。ロシアとアゼルバイジャンには既存の国境線を尊重するよう忠告する」
と投稿しました。
また、イランのソブハーニー駐アルメニア大使も6日の記者会見で、ロシアとアゼルバイジャンが掲げた構想は決して考慮されることはないとし、
「今は19世紀ではなく21世紀だ。各国は独立と主権を有し、それを行使している」
と述べました。
アゼルバイジャンはアルメニア領を挟んだ西側にナヒチェヴァン自治共和国という飛地領を有しています。最近、ロシアとアゼルバイジャンが、アゼルバイジャン本土とナヒチェヴァンを結ぶ回廊をイラン・アルメニア国境に沿って設置する構想に同意しました。
これはイラン・アルメニア国境を事実上消滅させることにつながるため、イラン側は強く反発し、在テヘラン露大使に厳重な抗議と一切の現状変更を容認しない考えが伝えられました。
一部の専門家は、ロシアがこの構想に同意したのは、ウクライナ戦争に起因する国際社会からの圧力が背景にあるとみています。