行き詰った隠ぺい体質:イスラエルとイランの報道姿勢の違いとは?
イランはイスラエルと対立する中、無防備なガザとレバノンの人々がいかに危険な敵に直面しているのかが誰にでも分かるよう、戦争の現実を明確に伝えるよう努めています。
【ParsToday西アジア】イスラエルによるガザ・レバノンに対する戦争および、イランとの応酬の真実を解明する上で重要なのは、イラン・イスラエル双方の報道姿勢を理解することです。イランの政治アナリスト、モハンマド・カーゼム・アンバールルーイー氏はこの点について、イラン紙「ジャーメ・ジャム」の記事において、次のように綴っています。
イスラエルが過去1年間に出した軍の死傷者を隠蔽しているのは、国際世論に対して自らのはったりが崩れることを懸念しているからである。昨年10月7日のハマスによる「アクサーの嵐」作戦の後、我々は2つの報道姿勢を目の当たりにしている。
ひとつはイスラエルの報道姿勢である。イスラエルは抵抗勢力から手痛い打撃を受けているにもかかわらず、ニュースや情報の厳しい検閲により、死傷者に関するあらゆる情報の公開を阻止している。もう一方のイランは、イスラエルのあらゆる犯罪に関する情報を世界のメディアに包み隠さず提供している。
イスラエルの隠ぺい姿勢はこの政権の弱みを体現しており、イスラエルは戦争関連のニュース報道を完全に統制して、占領地内の住民に自らが戦争の勝者であることを伝えようとしている。つまりシオニスト政権は、この戦争でこれまでに相当の被害損失を受けていながら、自らの歪んだ弱々しい姿を晒したくないのである。
イランはそれに対して、戦争の明白で現実の姿を提示することで、防衛手段を持たないガザとレバノンの人々が、国際法規や国際慣習など眼中になくこれまで無数の戦争犯罪や大量虐殺に手を染めてきた敵に直面していることを万人に知らしめようとしている。
イラン側の報道姿勢には現状がありのままに反映されており、そこに誇張・矮小化はない。むしろ、我々が求めているのは、この1年でガザそしてレバノンで起こった一連の出来事の現実を提示し、西アジアで発生している情勢変化を国際世論に知らしめることである。しかし、これに対しイスラエルは、戦争で被った人的被害や戦費の規模を隠ぺいして、自らの占領地内で社会的緊張を回避し、戦争の費用やその意義を市民に考えさせないようにしているのである。
このようなイスラエルのメディア姿勢は失敗に終わっている。イスラエルは、自らのメディアと西側諸国のイスラエル系メディアを完全に制限しているが、こうした姿勢は何の成果ももたらしていない。イスラエルがどれほど戦争犯罪をはたらき、国際世論に対し自らの勝利を証明しようとしても、占領地内はもとより全世界においても聞こえてくるのはイスラエルに対する抗議の声ばかりだからだ。