イスラエル専門家、ガザ完全占領は「第2のベトナム戦争」
(last modified Thu, 10 Jul 2025 06:40:24 GMT )
7月 10, 2025 15:40 Asia/Tokyo
  • イスラエル専門家のナダヴ・イヤール氏
    イスラエル専門家のナダヴ・イヤール氏

イスラエルの専門家であるナダヴ・イヤール氏は、取り沙汰されているイスラエルによるガザ完全占領について、「ベトナム戦争よりも大きな過ちになる」との認識を示しました。

【ParsToday西アジア】イスラエルでは、ガザ戦争の継続に対する批判が高まっており、戦争が続けば続くほどイスラエルにとっては敗北となるとの見方がなされています。こうした中、イスラエルの専門家ナダヴ・イヤール氏は、ガザ戦争をアメリカのベトナム戦争に例え、ガザの完全占領がアメリカ軍のベトナム戦争での失敗よりも大きな過ちとなる可能性があると警告しました。

イヤール氏は、イスラエル紙「イェディオト・アハロノト」への寄稿で、「ガザを完全占領することで、ハマスの武装解除やその支配解体を実現するという構想は実現できない」「そうした構想は、イスラエルをベトナムのような永遠に抜け出すことのできない沼に引き込むことになる」と警告しました。

イヤール氏はその根拠として、今年3月から現在までにイスラエル兵38人がガザで死亡したことを挙げ、この数字が月平均10人が戦死しているとして、ハマスの戦闘力は衰えていないと記しました。

その上で、ハマスの最近の攻撃が、イスラエル軍が安全と見なしていた北部ベイトハヌーン地区で発生したことを指摘し、イスラエル軍の「安全地帯戦略」が完全に失敗しているとしました。

さらに、先日カッツ戦争相が提唱したガザ南部ラファに「人道都市」を建設し、ガザ住民全員を強制収容させる案について、「新たな妄想」と評し、「どのようにして200万のパレスチナ人をガザ南部に移住させるのか? 彼らの生活費は誰が負担するのか? どうすればハマスの再統治を防げるのか? この計画を立案した者たちですら、明確な答えを持っていない」と批判しました。

一方、イスラエルのテレビチャンネル12のアナウンサーでありアナリストのアラド・ニール氏も、ネタニヤフ首相のガザに対する政策を批判し、イスラエルのガザ政策は、この地域を「強制労働収容所に変える」ことだと述べました。

ニール氏はラファでの強制収容所構想について、「人々を収容所に集め、廃墟の上で食料を与えることは、実質的には強制労働収容所を設置しているのと同じことだ」と批判しました。

さらに、作家のラナン・シャキッド氏も、イェディオト・アハロノトで、ネタニヤフ首相について「宣伝活動や米国訪問、トランプ氏との写真撮影に忙しい一方で、兵士たちは毎日のように死んでいる」と批判しました。

シャキッド氏はさらに、「首相は人質家族たちの苦しみを無視している。ハマスとの交渉は進展が遅く、戦争が始まってから640日が経過している」と記しました。

 


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