イラン最高指導者「女性・子供4万人の虐殺を勝利とは言わない」「シリアの若者たちがイスラエルを追放する」
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イラン最高指導者のハーメネイー師
イスラム教の預言者ムハンマドの娘ファーテメ・ザフラーの生誕日にあたる22日、イラン最高指導者のハーメネイー師がマッダーフと呼ばれる宗教歌の朗誦家らと面会しました。ハーメネイー師は演説の中で、ファーテメ・ザフラーを「神の道における蜂起、抵抗、勇敢さ、明瞭さ、力強さ、論理性の点ですべての人間にとって手本となる存在」とし、敵がイラン国民に対して恐怖や分断、失望をもたらそうとしていることについて「悪魔に追随する者の特徴は傲慢さと嘘である。それに対抗する手段は、表現によるジハード、論理的で真実にもとづく表現である」と述べました。
【ParsTodayイラン】ハーメネイー師は、イスラエルがハマスやヒズボッラーを壊滅させるという目標を達成できていないことに触れ「地域の偉大な国民たちは、神の思し召しでイスラエルを根絶し、今日よりも良い明日がもたらされるだろう」と述べました。また、シリアのアサド政権の崩壊については「外国政府の計画・支援を受けた騒乱勢力がシリア内部の弱点を突き、混乱をもたらした」と述べました。
また、自身の以前の演説を引き、米国の戦略は他国に対し自らの覇権に有利な独裁者を据えるか、それが無理なら騒乱を引き起こすことのどちらかしかないとし、後者が採用されたシリアでは今、勝利を気取った米やイスラエルが食指を伸ばしていると指摘しました。
ハーメネイー師はその一例として、米国の高官が「イランで騒乱を起こす者には自分たちが支援する」などと甘言を弄していることを挙げ、「愚かな者は夢想しているが、イラン国民は米国の手先になる者は誰であれ足で踏みつぶすだろう」と語りました。
また、イスラエルに向けては「愚かしい。どこが勝利なのか? ガザで勝利したのか? ハマスを壊滅したのか? 自らの人質を奪還したのか? 4万人以上を殺害しておきながら、このうちの1つでも達成できていないことが勝利なのか? ナスロッラー師のような最高幹部を殺害してヒズボッラーを消滅させることはできたか?」と問いかけ、「お前たちは勝者ではなく敗者だ」と述べました。
また、イスラエルがシリアの一部領土を占領していることについても「(シリア側の)抵抗が一切なかったためにできたことであり、これを勝利とは言わない。シリアの誇りある若者たちが間違いなくイスラエルを駆逐するだろう」としました。
ハーメネイー師はさらに、アサド政権の崩壊でイランが地域における代理勢力を失ったとする心理戦・情報戦が展開されているとし、「イランに代理勢力はいない。イエメンが戦うのはその信仰心ゆえだ。ヒズボッラーやハマスを戦場へ向かわせるのは、その信仰心だ」「もし我々が(敵に)行動を起こすことがあれば、代理勢力に頼る必要はない」と述べました。そして、「イエメン、イラク、レバノン、パレスチナ、そして近いうちにシリアの信仰心と誇りあふれる者たちがイスラエルに抵抗しているように、イランも抵抗する。そして神の思し召しでイスラエルをこの地域から消滅させるだろう」と述べました。