イラン外相「イスラエル首相の破廉恥な発言は地域の平和と安全に対する脅威」
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イラン外相のセイエド・アッバース・アラーグチー氏
イランのアラーグチー外相は「パレスチナ人を他地域に強制的に移住させる提案は、国際法および国連憲章の原則・規範の全てに違反しており、パレスチナの大量虐殺・殲滅を狙ったシオニスト政権イスラエルの計画を補完するものである」と語りました。
【ParsTodayイラン】アラーグチー外相は10日、国連のアントニオ・グテーレス事務総長と電話会談しました。アラーグチー外相はこの電話会談で「世界の平和と安全を脅かすこの危険な陰謀に対して、国連、特に安全保障理事会が断固たる明確な立場を示す必要がある」と強調しました。
その上で、 「パレスチナ人を他地域に強制的に移住させる提案は、国際法および国連憲章の原則・規範の全てに違反しており、パレスチナの大量虐殺・殲滅を狙ったシオニスト政権イスラエルの計画を補完するものである」とし、「パレスチナ人をサウジアラビアに移送するというネタニヤフ首相の最近の姿勢は、シオニスト政権の厚顔無恥・破廉恥なやり方の最たる例である」と述べ、「国際社会はイスラエルという占領政権の無法ぶりや犯罪行為が当たり前のものにならないよう阻止すべきだ」と強調しました。
これに対しグテーレス国連事務総長も、「国連としてパレスチナ人の土地からの強制的な移住を含む一切の計画に断固反対する」とし、パレスチナ人の正当な権利を尊重する必要性を強調するとともに、「ガザ市民の他地域への強制的な移住は、完全に否定されるべきもので受け入れられない」と述べました。
イラン外相「イスラエル首相の破廉恥な発言は地域の平和と安全に対する脅威」
アラーグチー外相はサウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハン外相との会談で、ガザ住民を強制的に他国に避難・移住させるというアメリカおよびイスラエルの計画を、パレスチナ殲滅を狙った植民地計画補完の一環とみなし、「この陰謀に反対し対峙するために国際社会が断固たる行動を取る必要がある」と強調しました。
また、サウジ領内にパレスチナ国家を建設するというイスラエル首相の厚顔無恥な発言に言及し、「このような発言は占領政権による前代未聞の反逆の兆候であり、地域の平和と安全に対する脅威であると考える」と語りました。
これに対し ファイサル 外相も、パレスチナ人をガザから他国に強制移住させる一切の計画に断固反対するというサウジの一貫した立場を強調し、この計画への反対という一致した立場を表明するためOIC・イスラム協力機構の閣僚会議を開催すべきというイランの提案を支持しました。
マレーシア外相、ガザ住民の強制移住は「全く受け入れられない」
アラーグチー外相はマレーシアのモハマド・ハッサン外相との電話会談で、イスラエルによる16カ月以上にわたる大量虐殺が続く中、マレーシアが粘り強くパレスチナを支援してきたことを称賛するとともに、「ガザからパレスチナ人を強制移住させる計画は、パレスチナ殲滅を狙った植民地計画の一部である」と述べました。またこの計画を非難し、この危険な陰謀に対して影響力のある主要なイスラム諸国が断固たる一貫した姿勢を取るよう求めました。
これに対し、ハッサン外相も、ガザからの住民移動・移送をめぐる一切の計画を非難するというマレーシアの立場に言及し、「ガザ住民の他地域への強制的な移送は民族浄化にあたり、全く受け入れられない」と述べました。
トランプ米大統領は今月4日、ガザ住民の同地区からの完全退去および近隣アラブ諸国や他地域への移住、そして米国によるガザの占領構想を明らかにしました。トランプ氏は以前にも、エジプトやヨルダンなどイスラエル占領地に隣接するアラブ諸国の指導者らに対し、ガザ住民を再定住させるよう命じていました。