仏人シオニストがイラン人女性通訳に抗議;マフディーイェ・エスファンディヤーリー氏が悪名高い仏刑務所に収監中
(last modified Mon, 02 Jun 2025 11:25:33 GMT )
6月 02, 2025 20:25 Asia/Tokyo
  • 仏フレンヌ収監中のマフディ―イェ・エスファンディヤーリー氏
    仏フレンヌ収監中のマフディ―イェ・エスファンディヤーリー氏

パレスチナ国民を支持するメッセージを自身のSNSに投稿したイラン人女性、マフディーイェ・エスファンディヤーリー(38)が、「テロを称賛した」容疑でフランスの刑務所の独房に監禁されています。

仏リヨン大学で言語学を学ぶ学生で翻訳者でもあるマフディーイェ氏は現在、麻薬密売人や凶悪犯罪者が収監されている仏フレンヌ刑務所に収監されています。ガザの子どもたちをオンラインで支援したという罪名しかないこのイラン人女性は、市民の自由擁護を謳う国であるフランスにおいて、あからさまな矛盾の犠牲者となった形です。

【Pars Today】この記事では、マフディーイェ・エスファンディヤーリー氏の逮捕について取り上げています。

 

失踪

2024年3月初旬以来、イランにいるエスファンディヤーリー氏の家族は、フランス在住の娘の消息を知りませんでした。フランス警察が数ヶ月にわたって沈黙を決め込む中でイラン当局が追及した結果、彼女がシオニスト政権イスラエルによるガザ住民の虐殺を非難したために拘束されていることが発覚しました。マフディーイェ氏は、フランスで2番目に大きな刑務所であるフレンヌ刑務所で約90日間、独房監禁され、激しい精神的拷問を受けていました。

 

パリ検察庁の言い分は?

2023年10月、マフディーイェ氏はテレグラムないのチャンネルにおいて「防衛手段を持たないパレスチナ被抑圧民を支持する」と表明しましたが、これに対し仏パリ検察は彼女が反ユダヤ主義を助長したと主張しています。マフディーイェ氏の家族や友人らは「彼女は人権を主張していたにすぎない。無辜の民を守ることは犯罪とされ、フランスがイスラエルによるガザ市民への爆撃を支持することは表現の自由だというのはどういうことか?」と疑問を呈しています。

 

フレンヌ刑務所

首都パリにあるフレンヌ刑務所には、1800の独房が設けられています。この刑務所は最大2180人の受刑者を収容できるように設計されており、1898年7月の開設当時は世界最大の刑務所とされていました。フランスの多くの拘置所と同様に、この刑務所も深刻な過密状態に悩まされていました。2020年1月30日、ECHR欧州人権裁判所はフランスの刑務所の過密状態を非難する中で、フレンヌ刑務所についても言及しました。

フレンヌ刑務所の内部の様子

 

現在、この刑務所には麻薬密売人、特に大規模な犯罪組織で活動していた者、殺人犯や凶悪犯罪者、武器による強盗、組織犯罪者などが収容されています。

マフディーイェ氏の姉・ザハラー氏


マフディーイェ氏の姉ザハラー・エスファンディヤーリー氏は、「妹は約70日ぶりに家族と電話で話した際、フレンヌ刑務所の劣悪で困難な状況について説明し、この状況を批判した」と語っています。

ハッシュタグ #Mahdiyeh_Esfandiariソーシャルネット「X」上のイラン人ユーザーらもこの同国人の逮捕を受けて、ハッシュタグ「Mahdiyeh Esfandiari」をトレンド入りさせました。

同じイラン人女性で「ファーテメ・モハンマドベイギー」と名乗るユーザーは、「フランスの行動は表現の自由の明白な侵害であり、人権を主張する国々の矛盾した姿勢を露呈している」としました。また「ガザの被抑圧民への擁護発言を提起しただけで、フランスの恐ろしい『フレンヌ』刑務所に80日間も収監されるとは!イラン国民であるマフディーエ・エスファンディヤーリ氏が平和的に意見を述べ、ジェノサイドを非難しただけでこのような扱いを受けているとは信じ難い。これは表現の自由の明白な侵害であり、人権を主張する国々のダブルスタンダードな姿勢を暴露するものだ」と投稿しています。

またこれに関連して、もう1人のユーザー、セイイェドハーニー・ハーシェミー氏は、「フランスは、リヨンに8年間住んでいたマフディーイェ・エスファンディヤーリーというイラン人女性を、パレスチナ人支持という口実で逮捕した!言論の自由の発祥の地を自称する国での言論の自由など笑止千万である」としています。

ヨーロッパで100人以上のパレスチナ支援活動家が逮捕

人権団体の統計によりますと、2023年10月以降ヨーロッパでは100人以上のパレスチナ支援活動家が逮捕されています。欧州各国政府のこうした動きにより、「ヨーロッパにおける表現の自由は西側諸国の政策に賛同する者だけのものなのか」という疑問が浮上しています。もしエスファンディヤーリー氏がパレスチナ国民ではなく、シオニスト政権イスラエルの犯罪を支持していたら、彼女は果たして逮捕されたでしょうか?フランスがガザについて書いた翻訳者を投獄した今、表現の自由の主張にどれほどの信憑性があるのでしょうか?

西側諸国の沈黙に対する批判

イラン外務省のイスマーイール・バガーイー報道官はこの点について「フランスからはまだ明確な回答を得ていない。被抑圧民を支持することが、なぜ犯罪となるのか?人権侵害を口実に日々他者を攻撃する西側諸国こそが、今や自ら被告の立場に立たされている」と述べました。