イラン国連大使、書簡でIAEA事務局長を批判
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イランのイールヴァーニー国連大使は21日、国連事務総長および安保理に宛てた書簡の中で、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長の姿勢について批判し、異議申し立てを行いました。
(last modified 2025-10-27T05:05:03+00:00 )
6月 22, 2025 18:45 Asia/Tokyo
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    イラン国連大使、書簡でIAEA事務局長を批判

イランのイールヴァーニー国連大使は21日、国連事務総長および安保理に宛てた書簡の中で、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長の姿勢について批判し、異議申し立てを行いました。

【ParsTodayイラン】書簡の全文は以下の通りです。

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我が国の政府の指示に従い、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長がその職務において犯した重大な過失と、IAEAの設立規定に基づく責任を果たしていない事実について、深い懸念を表明する。この点に関して、グテーレス国連事務総長および安全保障理事会理事国に以下の点を理解するよう要請する。

グロッシ事務局長による発言は、イスラエルによるイランへの最近の侵略行為の直前に行われたが、これは明らかに職務として求められる中立性の原則に重大に違反するものだ。このような発言は、IAEAの設立規定における法的義務に完全に反しており、担当する職務にそぐわないものだ。

イランの核施設はすべてIAEAの包括的な監視の下にあり、平和目的のみに使用されていることを度重ねてイランが強調してきたにも関わらず、IAEA事務局長は適切な予防措置を取らなかったことは、明らかに職務怠慢に該当する。この不作為は、IAEAの設立規定と国際法の基準に照らして大きな過失を示している。

6月9日のIAEA理事会でグロッシ事務局長は、イスラエルがイランの核施設への攻撃に踏み切ることへの「懸念」に言及するにとどまり、国際法に基づく義務である武力の使用禁止に言及することはなかった。過去のIAEA総会決議では、平和目的に使用されている核施設に対する武力行使を明確に禁じている。この点での不適切な対応は、法的義務の放棄として問題がある。

6月16日のIAEA理事会における事務局長の声明では、イスラエルによる核施設への違法な攻撃を明確に非難することなく、また、イスラエルによる「何日でも攻撃を続ける」という声明を無視し、この侵略行為に対する非難を発しなかった。この無反応は、IAEAの監視体制と非拡散体制に対する信頼を著しく損なうものだ。

事務局長の沈黙と無反応は、国際原子力機関の法的責任と国連安全保障理事会の関連決議に反するものであり、実質的にIAEAがこの重大な侵略行為に対する共謀を行ったことを意味する。

グロッシ事務局長は過去にも、イスラエルによる違法行為に対して適切な反応を示さず、特に2023年12月15日にはイスラエルによる核兵器使用の脅威に対して、IAEA事務局長は声明を発することも、公式にその行為を非難することもなかった。このような対応は、IAEAの職責を放棄したものといえる。

グロッシ事務局長は、イランが自国の主権に基づいて監査官の一部の任命を解除した際に、直ちに公開声明を出し、イランに対して厳しい批判を行った。この対応は、IAEAの職務として求められる中立性、忍耐、客観性を完全に無視したものであり、イランに対する差別的な扱いと見なされる。

事務局長の行動は、IAEAの設立規定における中立性、職業倫理、および客観性に対する継続的な違反であり、IAEAの信頼性、客観性、そして正当性を深刻に損なっている。イラン・イスラム共和国は、このような行動が事務局長の義務とまったく相容れないことを強調し、その責任を問う必要があると考えている。

本書が国連安全保障理事会の文書として配布されることを、感謝申し上げる。

 


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