バラ水:イラン伝統医学で重宝される薬液
8月 31, 2025 14:48 Asia/Tokyo
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バラ水
イランで作られるバラ水は、ゴレ・モハンマディと呼ばれるバラの花の蒸留水で、この国の伝統医学においてきわめて重要な位置を占めてきました。
【ParsTodayイラン】バラ水は香り高い抽出物で、イランでは宗教的儀式や祭りで使用されるだけでなく、伝統医学における治療法でも広く活用されています。
伝統医学では、バラ水は神経系の強化、ストレス軽減、不眠・頭痛解消の効果があるとされています。また、バラ水の香りを嗅ぐことで、心を落ち着かせ、脳内ホルモンの分泌を調整する効果もあります。そのため、哀悼の宗教儀式などでは、参加者の手や顔にバラ水を振りかける習慣があります。
バラ水の製造方法
バラ水はゴレ・モハンマディの花を蒸留することによって得られます。伝統的な方法では、銅製の釜でお湯を沸かし、そこに花を煮沸して得られる蒸気を冷却したものがバラ水になります。イランでは中部カーシャーン、ガムサル、ニアーサル、ラーヴァンドといった街が、バラ水の主要な生産地です。
伝統医学におけるバラ水の治療効果
- 神経系のリラックス:バラ水の香りは、不安やストレス、さらには心拍数の上昇を抑える効果があります。
- 不眠の解消:就寝前にバラ水を飲んだり、枕に吹きかけたりすると、安眠効果を得られます。
- 免疫システムの強化:バラ水は抗酸化物質が豊富で、体内の浄化を助けます。
- 頭痛の緩和:額にバラ水を塗ったり、その蒸気を吸入することで、神経性の頭痛を軽減できます。
- 消化の促進:バラ水をぬるま湯で摂取すると、膨満感や胃酸の逆流を減少させます。
- 肌のケア:バラ水には抗菌作用があり、肌の健康を保ち、清潔で柔らかな状態を維持します。
このように、バラ水には体と心ともに様々な効果があります。それは、イランにおけるバラ水が医薬品としての側面と宗教・文化的側面を持っていることに対応しているとも言えます。
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