イランが原子力産業の成果の維持を重視する理由とは?
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ペゼシュキヤーン・イラン大統領は同国原子力庁を訪問した際、健康、治療、放射性医薬品製造の分野における原子力産業の科学者による最新の画期的な成果の展示会を視察し、その後、業界の幹部らと会談しました。
(last modified 2025-11-03T10:13:52+00:00 )
11月 03, 2025 18:34 Asia/Tokyo
  • イランのペゼシュキヤーン大統領(右)とエスラーミー原子力庁長官
    イランのペゼシュキヤーン大統領(右)とエスラーミー原子力庁長官

ペゼシュキヤーン・イラン大統領は同国原子力庁を訪問した際、健康、治療、放射性医薬品製造の分野における原子力産業の科学者による最新の画期的な成果の展示会を視察し、その後、業界の幹部らと会談しました。

ペゼシュキヤーン大統領は2日日曜、イラン国内の原子力産業の幹部らとの会合で、「爆弾の製造は、核分野における非人道的で異常な結果のうちのごく一部に過ぎず、この産業の残りの大部分は人類の基本的ニーズを満たすために役立っている」と語っています。

【ParsTodayイラン】ペゼシュキヤーン大統領はさらに「イランがこの産業を拡大する意図と決意は決して兵器生産ではなく、国民のニーズに応え国民の福祉を向上させることにある」と述べました。

またこの会合で、エスラーミー・イラン原子力庁長官は、ロシアとの協力により8つの原子力発電所を建設する契約に調印したことにも言及し、「イラン・ロシア政府間の新たな契約に基づき、わが国の南部ブーシェフルに4か所、および国内の他の地域に4か所の発電所を建設することが議題となっている。それらの建設場所は、イラン政府が後日発表する」と表明しています。

さらに、アラーグチー・イラン外相も「濃縮の完全停止は不可能である。濃縮はイランの科学者らの功績だ。この濃縮のために、イランは12日間戦争に突入し、1000人以上の殉教者を出した。戦争で達成できなかったことは、交渉でも達成することは不可能だ」と語りました。

イランは、原子力産業を国民の基本的ニーズの充足、国家福祉の促進、そして科学技術の自立のための手段と捉え、その成果の保全を常に重視してきました。実際に、イランの原子力産業の大部分は医療や放射性医薬品の製造分野を含め、国民の健康と福祉に寄与しています。この技術は、特に癌をはじめとする疾患の診断と治療において重要な役割を果たしており、イランは放射性医薬品の製造において大きな進歩を遂げてきました。

イランの科学者らが挙げた最も重要な成果の一つは、ウラン濃縮です。米国や西側諸国と連携する外国メディアの偏ったプロパガンダでは、イランの原子力産業は核爆弾の製造目的であると誤って報じられていますが、イランはこの技術の平和利用を重視しています。

イランの原子力産業は、医療・経済分野に幅広く応用され、公衆衛生、国家の自立、そして持続可能な開発の促進において重要な役割を果たしています。イランは学術的・人道的成果の大々的な発信により、西側メディアによる誤ったイメージの是正に努めています。また原子力産業は、学術発展の象徴であるだけでなく、イランの国民的アイデンティティの一部でもあります。

原子力産業の最も重要な経済的応用は、ロシアとの協力により南部ブーシェフルをはじめとするイラン国内の地域に持続可能な電力を供給し、化石燃料への依存を低減する新たな発電所の建設です。イランは、採掘、濃縮から燃料生産に至るまで、燃料サイクルの全段階の国有化・国産化に成功し、コストと海外への依存度を低減してきました。

イランの核技術・製品の輸出は、同国の外貨獲得の大きな部分を占めています。イランの核産業が供給する放射性医薬品、放射線機器、関連技術は、地域諸国はもとより世界各国に輸出されています。イランは、国内で必要とされる放射性医薬品の多くを自給自足で生産し、しかも国外輸出も開始しています。

イランは、原子力産業を国家・国民の福祉と健康、持続可能な発展、そして国家の発展に貢献し、国民生活の質を向上させ、かつ世界におけるイランの科学的地位を確立する国家資産とみなしています。特に外国からの圧力を受けながらもウラン濃縮と核燃料サイクルを国産化したことは、イランの自給自足と科学的進歩の象徴とされています。

 

 


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