9月 17, 2016 17:22 Asia/Tokyo
  • 今日の話題:ペルシャ語詩と文学の日

17日土曜、イラン暦シャフリーヴァル月27日は、ペルシャ語詩と文学の日にあたります。詩や文学は、イラン人としてのアイデンティティを示すものであり、古い時代から、イランは世界で魅力的な物語を持つ国として知られています。今回は、この話題についてお話しましょう。

フランスの詩人、アベル・ボナールは次のように語りました。

「アジアの全ての国を旅し、その人々と交流したことのある人は、インド哲学に陶酔し、中国の広大さと、日本の才能に驚くかもしれない。 だが、間違いなく彼らはイランの芸術に魅了されるだろう。イラン国民は、全ての芸術分野において、その極致に至っており、それらの1つに特に大きな愛着を持っている。それはまさに、詩と文学だ。」

ペルシャ語詩と文学の日

 

また、フランスの東洋学者グルーセは、次のように述べています。

「イランは人類に大きな貢献を行っている。歴史的な証拠からは、イランは大きな文化とイスラムの可能性をもって、何世紀にもわたり、相互理解により、人々の間に合意と調和を生み出してきたとされている。イランの哲学的作品や詩は、共通の信条や信仰を持つ様々な人々に共有されてきた。イランの詩人たちは、世界に貢献してきたのだ。イランの詩人たちが 表現している感情は、まさに1人のフランス人に対して、インド人と同じように、また1人のトルコ人に対して、グルジア人と同じように、影響を与えることが出来る。イランの神秘主義者たちは、完全にイスラム教徒だが、インドのバラモンの心をも、そしてすべての人々と同じように、キリスト教徒の心をも動かす。この意味において、彼らは全人類のものであると言わねばならない」

イラン南部・シーラーズのハーフェズ廟

 

チェコスロバキア出身の研究者は、次のように記しました。

「ペルシャ語文学は、国際的な恋愛文学において最高の地位を得ている。この数千年間に渡り、ペルシャ語詩は優れた地位を獲得しており、最高の詩人の地位をハーフェズに与えてきた。ハーフェズは世界の全ての文学において、そして歴史のすべてにおいて、絶対的な、最高の叙情詩人である」

ドイツの詩人ゲーテも、ハーフェズとその詩に大いに魅了され、その思想に入れ込み、『西東詩集』の中で、彼と兄弟になりたいとしています。

ゲーテとハーフェズ廟

 

ハーフェズの詩のドイツ語訳は、多くの思想ある人々を魅了してきました。ドイツの哲学者ニーチェはハーフェズの詩を壮麗な建築物だとしています。ニーチェはまたハーフェズの詩は1匹のねずみが山を生み出すような、ありえない現象だとするほど、ハーフェズの詩に魅了されました。

全世界の偉大な人々を魅了したものとは、ペルシャ文学の偉人の詩の中の崇高な思想なのです。ハイヤームの哲学的な問い、モウラヴィーの神秘主義的な愛、フェルドゥースィーの合理主義、サアディーの驚くべき英知に、世界の多くの人が驚き、魅了されています。ある時代においては、イギリスの文学者フィッツジェラルドによるハイヤームの四行詩の英語訳は、聖書、シェイクスピアの戯曲についで、世界のベストセラーとなりました。20世紀には、イギリスやアメリカの家庭や研究者の本棚には、必ずハイヤームの四行詩がありました。ハイヤームの四行詩はヨーロッパの家庭に浸透し、枕元におかれたり、また、イギリス軍の兵士は、2つの大戦中、ハイヤームの四行詩を持ち歩いていました。

イラン北東部ネイシャーブールのハイヤーム廟

 

モウラヴィーの詩の翻訳も、世界の文学における革命的なものとみなされています。モウラヴィーの『シャムス・タブリーズィ詩集』の翻訳は、一時期、ベストセラーとなりました。世界の人々はモウラヴィーのメッセージを聞き、彼の愛の言葉に陶酔しています。

フェルドゥースィーの『王書』も、明らかに人類の偉人が残した最高の作品であり、彼はホメロスやダンテと肩を並べる文学者です。東洋学者、特にロシアの東洋学者は、『王書』を世界の文学における貴重な真珠だとしています。

イラン北東部トゥースのフェルドゥースィー廟


サアディーの『バラ園』と『果樹園』も、世界を魅了しました。サアディーは崇高な価値ある英知の教育者であり、基本的に友情に基づいて作品を記しています。実際、特に西側の人々は、その道徳的な崇高さに魅了されています。その動機は、純粋に、博愛主義、そ

して人間性と人間の尊厳の尊重によるものなのです。

イラン南部・シーラーズにあるサアディの廟

 

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