イラン観光の魅力;イラン南部ホルモズ島-塩のドーム(画像)(動画)
イラン南部ペルシャ湾に浮かぶホルモズ島は、ペルシャ湾の湾口に当たるホルモズ海峡に位置しています。
この島は、総面積が42平方キロメートルに及び、イラン南部ホルモズガーン州の中心都市バンダルアッバースから8キロの沖にあります。また、地理的な立地条件やホルモズ海峡に隣接していることから、ペルシャ湾の鍵と見なされています。こうした条件により、この島は歴史を通して、戦略・通商面で特に重視されてきました。
ホルモズ島には、数々の鉱脈や鉱石が存在することから、この島は地質学博物館、或いは地質学者の天国とも呼ばれています。
この島の特徴として、さんご礁や岩に覆われた海岸、原生植物の生息地帯のそばに洞窟が存在すること、そしてこの島特有の原生生物が生息していること、そして一部の歴史的、文化的な遺物が地元民の生活と密接に関連していることが挙げられます。
マングローブの樹林は、後から人工的に植林されたもので、広大な泥土地帯に16ヘクタールに渡り広がっています。このマングローブ樹林には、ウミツバメをはじめとするおよそ20種類の水鳥やそのほかの野鳥の生息地が、およそ1000箇所存在しています。
この樹林は、熱帯或いは亜熱帯の地域に存在する海岸のうち潮の満ち干が起こる地域にのみ生息します。マングローブのみが持つほかに例を見ない特徴の1つとして、塩水への耐久力があることが指摘できます。
この樹林は、多くの海生生物や水鳥にとって大変好都合の生息条件を有しています。
ウミガメ
ペルシャ湾に生息するウミガメとして知られている5種類のうち、アオウミガメとタイマイの2種類が、傾斜のゆるい、また柔らかい砂に覆われたホルモズ島の沿岸で産卵し、さんご礁地帯や海草の生息地域、そしてマングローブ樹林でエサを食べています。
これらのウミガメは、冬の終わりから春の初めにかけて、産卵のためにホルモズ島の海岸にやってきます。これらの卵は、産卵からおよそ50日後に孵化し、卵からかえった小亀が海に向かって歩いていきますが、こうした現象も、この島を訪れる観光客の興味をそそる魅力の1つとされています。
ホルモズ島に生息する水鳥やそのほかの水生生物にとって最も適した生息場所は、この島の北東部に広がる広大な泥土地帯とマングローブ樹林、そして島の東部と南東部にある海草の生息地域、さらに西部と北西部の岩に覆われた海岸及び、水面から突き出た岩磯です。これらの地区は生物にとってのエサが豊富で安全な隠れ場所であることから、これらの生物の注目を集めています。
海草の主な生息地は、岩に覆われた地区ですが、その理由は海草が成長する上でへばりつく場所が必要とされることにあります。海草の主な生息地は、潮の満ち干が起こる区域にあります。
軟体動物や甲殻類、魚類、ウミガメ、海に生息する哺乳類といった水生・海生生物の多くは、海草を直接食べます。特に潮が引いている際の岩に覆われた磯に見られる、絨毯状に広がる一面の海草は、ホルモズ島の自然がかもし出す絶景とされていますが、これはこの島の南部の地域でしか見られません。
粒の粗い、或いは細かい砂に覆われた海岸では通常、年間を通して各種の海鳥が見られます。こうした海岸は、リゾート地としてこの上ない可能性を秘めており、海水浴や遊泳などに最適とされ、これらの目的に沿ったプロジェクトが行われています。
ポルトガルの城砦
16世紀には、アジア地域の植民地支配を目的にこの地域を旅していたポルトガルのアルフォンソ・アルブケルケ提督が、偶発的にペルシャ湾を通りかかり、この地域の存在を知ることとなりました。彼はすぐさま、ポルトガルのマヌエル国王のもとに参上して、ペルシャ湾の占領に向けた自らの計画を提示し、国王の承認を得ます。アルブケルケ提督は再びペルシャ湾に戻り、数多くの残忍の殺害を重ねた後、ホルモズの征服に成功し、ホルモズ島に城砦を築きました。この島の旧来からの島民は、長年にわたってポルトガルによる占領支配にたびたび抵抗しました。そして、遂にこの島はサファヴィー朝のアッバース大王に仕えるイラン人の軍司令官、イマーム・ゴリーハーンによる凄惨な戦いにより、ポルトガルの占領支配から解放されたのです。
現在も、ホルモズ島の北部には、ポルトガルの城砦と称する遺跡が、当時使用されていた大砲などの遺物とともに残されています。
ポルトガルの城砦
ホルモズ島には、観光・行楽面での天然の可能性が豊富に存在することから、自然の景勝地をベースとした観光業分野での活動が行われています。さらに、この島には自然の絶景に秘められた可能性のほかにも、文化的、歴史的な特徴が存在することから、この島の観光業の多様性に影響を及ぼしており、自然散策の完成度を高める要素といえます。
ホルモズ島に存在する文化的、歴史的な観光名所としては、前述したポルトガルの城砦のほか、鐘楼やビビゴルの宮殿、旧学術の館の廃墟、サフランの館、銃撃の塔、ホルモズ旧市街の廃墟、預言者ヘズルの巡礼所などが挙げられます。さらに、この島にある赤土を採掘する鉱山の見学も、思い出に残る経験となるでしょう。