アメリカの反テロ軍事連合、テロを撲滅するか否か?
https://parstoday.ir/ja/news/iran-i19366-アメリカの反テロ軍事連合_テロを撲滅するか否か
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、「西側の反テロ軍事連合は本物ではなく、テロを根絶しようとしていない」と強調しました。
(last modified 2025-08-16T09:55:59+00:00 )
10月 26, 2016 19:58 Asia/Tokyo
  • アメリカの反テロ軍事連合、テロを撲滅するか否か?

イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、「西側の反テロ軍事連合は本物ではなく、テロを根絶しようとしていない」と強調しました。

キャラミー解説員

ハーメネイー師は、25日火曜夕方、ボスニア・ヘルツェゴビナのイゼトベゴビッチ大統領評議会議長と会談し、「西側の連合はある場合にはテロリストと戦っているかもしれないが、イラクでもシリアでもテロリズムの真の根絶を追求していない」と語りました。また、「ヨーロッパの一部の裕福な力のある国でのイスラム教徒の若者への差別は、彼らをISISなどのテログループに加わらせる下地を整えている」としました。この問題について、IRIBキャラミー解説員は次のように語っています。

西アジアで拡大する様々な形のテロは、一部の西側諸国、特にアメリカの政策に起因します。アメリカ大統領選挙の民主党候補、クリントン氏の回顧録などは、西側の一部の政府の戦争誘発、テロリスト育成に関する政策を認めています。

2001年のアメリカ同時多発テロはアメリカの政策を変化させ、アフガニスタンやイラクへの侵攻の口実になり、これらの侵略は情勢不安やテロ拡大において決定的な役割を果たしました。アメリカの政治家や軍事関係者は、同時多発テロ後、テロリストへの先制攻撃をアメリカの国家安全を保障するものとみなしました。言い換えれば、ニューヨークの中心部へのテロ攻撃は、西アジアの新たな戦火の下地になったのです。その戦争は、アメリカとその同盟国がアフガニスタンとイラクでテロ撲滅を名目に開始したもので、この悪しき現象を根絶するどころか、全世界、とくに中東にテロリズムの種を撒きました。

アラブは表面的にはテロを生み出した地域ですが、この15年、アメリカと一部のヨーロッパ諸国の政策がテロ拡大の根本的な要因となっています。アメリカのイラク侵攻は、サッダーム政権を消滅させましたが、イラクでのアメリカの政策はISISの拡大の機会を整えました。

アメリカはイラクを占領する間に、この国で収監されていたISISの指導者バグダディを自由にし、イラクやシリアでISIS形成の下地を整えました。ISISの拡大により、このグループは世界中で殺人鬼を保有することで、地域を超えて活動を行っています。こうしたISISの王道は世界中に恐ろしい影を伸ばしています。ISISの拡大するテロ活動は、アメリカを筆頭とする西側に対ISIS連合を結成させることになりました。

この連合は2014年、その活動を開始しましたが、この連合のしてきたことを見てみると、対テロ戦争におけるその真の目的に疑惑を生じさせています。イラクとシリアでの無差別攻撃やイラク各地で上空からISISに兵器を供与していることは、アメリカの対テロ連合の真の目的に疑惑を生じさせるものとなっています。

アメリカの対テロ連合が根絶を主張しているテロリズムは、ヨーロッパにも波及しており、これらの国に「恒久的な平穏」ではなく「恒常的な恐怖」をもたらしています。シリアやイラクでのテロ対策における西側のダブルスタンダードは、アメリカの対テロ連合がこうした悪しき現象を完全に根絶しようとしていないことを示しているのです。