最高指導者、「アメリカとの協議は問題を解決しない」
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、「アメリカとの協議は問題を解決するどころか、それを拡大する」と強調しました。
ハーメネイー師は、2日水曜、イラン暦アーバーン月13日の世界の覇権主義との闘争の日、生徒の日を前に、数千人の学生や生徒を前に演説し、イランの歴史の中で、3つの異なる年のこの日に起こった出来事、アメリカの約束不履行と大統領選挙について重要な表明を行いました。
ハーメネイー師はこの中で、「革命的な思想や精神、行動する勇気、洞察力、イニシアチブ、未来への希望、敵を恐れず、屈しない姿勢が、国家の問題を解決するだろう」と強調しました。
ハーメネイー師はこれについて、“国家の問題を解決する唯一の道は、アメリカとの協議、和解である”と吹き込もうとする危険な一部の動きについて警告を発しました。
さらに、アーバーン月13日に起こった歴史の中の3つの出来事に触れ、その中で最も際立っているのが、スパイの巣窟となっていた在テヘラン・アメリカ大使館の占拠事件だとし、「この日は実際、革命的かつ独創的で敬虔な若者たちの日である。彼らはスパイの巣窟を占拠することにより、敵のあらゆる動きを阻止した」と語りました。
また、イスラム共和国の創始者ホメイニー師が、スパイの巣窟の占拠を「第二の革命」と呼んだことに触れ、「このように呼ばれたのは、革命前後の、イラン国民に対するアメリカの裏切りや陰謀のためだった。アメリカ政府は、イスラム革命を失敗させるためなら、公式、非公式のどんな努力も厭わなかった。イランの革命的な若者は、当時、スパイの巣窟を占拠することで、アメリカの陰謀を退けた」と語りました。
ハーメネイー師は、1979年の革命勝利当初のアメリカのさまざまな陰謀、8年に及んだイランイラク戦争でのサッダームフセインへの全面的な支援、戦争後から現在までのアメリカの行動、特に核合意とその後の問題に触れ、「つい最近でさえ、アメリカの核協議の関係者ははっきりと、『我々は核合意後もイランに制裁を科した』と語った。つまり、我々はそのような政府を相手にしているということだ」と語りました。
さらに、アメリカ大統領選挙の2人の候補者の討論に触れ、「この2人の候補者は、最近、これまで一部の人が信じていなかった、あるいは信じようとしなかった、アメリカ国内の事実や悲劇を明らかにしている。しかし現在、討論会における2人の発言は、アメリカで人間的な価値が失われていることを示している」と語りました。
また、アメリカの人種差別や貧困に関する最近の討論会の内容、そしてアメリカの富の90%を人口の1%が保有している事実に触れ、「人権や人間的な価値の蹂躙、人種差別は、今日のアメリカ社会の現実である」と語りました。
ハーメネイー師は、「イラン国民がホメイニー師の時代にアメリカに対抗し、現在も反米のスローガンを叫び、この国に対抗しているのは、確かな論理に基づいている」と強調しました。