イラン映画のファルハーディー監督、アカデミー賞の授賞式をボイコット
アメリカのトランプ大統領の大統領令による、イラン人の入国制限を受けて、イランの有名な映画制作者のファルハーディー監督が、アカデミー賞の授賞式への参加をボイコットしました。
ファルハーディー監督のイラン映画「セールスマン」は今回のアカデミー外国語映画賞の5つの候補作のひとつとなっています。
トランプ大統領は27日金曜、テロ対策を主張し、イランをはじめ、イエメン、リビア、ソマリア、スーダン、イラク、シリアのイスラム諸国7カ国からの旅行者や難民、移民のアメリカ入国を制限する大統領令に署名しました。
プレスTVによりますと、ファルハーディー監督は29日日曜夜、声明で、一部のイラン人や、そのほかの国の人々が合法的にアメリカに入国するため、不公平な状況を強いられていることについて、このような形で嫌悪を示すとしました。
また、アカデミー賞の授賞式は欠席するとしました。
さらに、「私のアメリカ訪問が例外として受け入れられることについても、決して受け入れられない」としました。
ファルハーディー監督は、過激派は、常に他者を恐ろしく見せ、自国の人々が恐怖に陥るよう、自分たちと他者という形で2つに引き裂くことでしか、世界を理解することができないとしました。
また、治安維持を口実に、ほかの国の人々を侮辱することは目新しいことではなく、将来、分裂と敵意が生み出される下地は常に存在しているとしました。
また、ファルハーディー監督の「セールスマン」に出演した女優のタラーネ・アリードゥースティーも、27日金曜、ツイッターでアカデミー賞への欠席を示唆しました。
イラン外務省も、29日日曜、イランの抗議を示すため、イランにおけるアメリカの利益代表部を兼任するスイス大使館の大使を呼び出しました。
イラン外務省のガシュガーヴィー在外イラン人領事担当次官も、トランプ大統領の決定に報復措置をとるとしました。