イランとEU、批判から戦略的協力まで
ハンガリーのオルバーン首相が、イランのタイエブニヤー経済財政大臣との会談で、経済やエネルギーなど様々な分野での両国の関係の拡大を強調すると共に、「イランは地域の治安確立において重要な役割を担っている」と語りました。
アミーンザーデ解説員
タイエブニヤー大臣はイランとハンガリーの第1回経済協力合同委員会に参加するため、ブダペストを訪問しました。両国の間の金融関係の確立、経済活動に向けた障害の払拭、貿易関係の拡大がこの会議の議題でした。こうした枠内で、ハンガリーの輸出振興銀行は、両国の貿易額の増加に向け、8500万ユーロの融資をイランに行うことになりました。経済、文化、スポーツの分野での6つの協力文書もまた、イランとハンガリーの間で署名されました。
ハンガリーのオルバーン首相のブダペストの会合での表明、そして同首相がイランとヨーロッパの新たな関係において全ての協力の可能性を用いるよう強調したことは、いくつかの点から熟考に値します。こうした表明は実際、核合意後のイランとヨーロッパの関係における前進、さらに双方の関係で提示されている問題における同調の枠内で評価することができます。
現在イランとヨーロッパ諸国は、新たな協力の機会を迎えており、その最も重要な指標が、テロ、麻薬密売、組織的犯罪への対策における協力です。こうした協力は、イランとヨーロッパの対話が、批判から戦略的協力のレベルに向上したことを示します。
とはいえ、アメリカはこの同調を受け入れておらず、口実を作ってイランとEUの戦略的関係の拡大を妨害しようとしています。しかしながらヨーロッパは、常にアメリカの一方的な要求や政策に左右されることはできないことを示しています。
ヨーロッパはイランに対するアメリカの制裁に追従する中で、こうした流れのマイナスの影響を経験し、もはや二度と同じ経験を繰り返したくありません。EUのモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表は以前にも、イランの政府関係者との協議において、こうした点を指摘し、「EUは共通の利益を確保するため、イランとの協力拡大を決めている」と述べていました。モゲリーニ上級代表は、少し前にも、CNNのインタビューで、トランプ大統領の核合意に対する立場について触れ、「核合意は、イランとアメリカの二者間の合意ではなく、多国間の合意であり、国連安保理でも採択された」と強調しました。
現在、EUは地域の安定要員としてのイランの役割に特別な重要性を認めているということができるでしょう。このため、会談や協議では、両者の協力の強化が強調されています。こうした協議のレベルはEUの地域の政治問題に関する見解に注目すると、政治的な統一の強化につながり、地域の平和や安定を促す可能性があります。イランとEUはおそらく全ての問題において必ずしも見解を一致させていないでしょうが、地域問題など、両者の立場には重要な共通性があります。こうした共通性は、共通の脅迫や問題の解決策を得るための建設的な対話の形成につながるでしょう。