週刊イラン
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この1週間のイランの主な出来事です。 今年もまた、政府週間を迎えました。 イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、若者たちにとっての文化的価値観への注目の必要性について語りました。 アメリカが、IAEA国際原子力機関を通して、核合意に反対する新たな動きを開始しました。 イランの防衛産業の日についても見ていきます。
(last modified 2025-10-27T05:05:03+00:00 )
8月 28, 2017 22:40 Asia/Tokyo

この1週間のイランの主な出来事です。 今年もまた、政府週間を迎えました。 イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、若者たちにとっての文化的価値観への注目の必要性について語りました。 アメリカが、IAEA国際原子力機関を通して、核合意に反対する新たな動きを開始しました。 イランの防衛産業の日についても見ていきます。

閣僚は、イマームホメイニー聖廟を訪れ、イスラム共和国の創始者の理念に改めて忠誠を誓いました。

 

イランは現在、政府週間を迎えています。1981年、イランの反体制派テロ組織モナーフェギンによる首相府の爆弾テロで、当時のラジャーイー大統領とバーホナル首相が殉教しました。この出来事にちなみ、イラン暦シャフリーヴァル月の最初の週にあたる今月24日から30日までが政府週間とされています。この期間には、この2人の殉教者に追悼をささげるとともに、国民に対し、政府のこれまでの業績と今後の計画が説明されています。

 

イランのローハーニー大統領は、閣僚とともに、今週日曜、テヘラン南部のイマームホメイニー聖廟を訪れ、イスラム共和国の創始者、ホメイニー師の理念に改めて忠誠を誓いました。ローハーニー大統領はこの式典で、記者団に対し、次のように語りました。

 

「イラン国民は、外国の陰謀や脅迫を恐れていない。なぜなら、外国を恐れないことをホメイニー師から学んだからだ」

 

政府週間に注目を浴びる最も重要な事柄は、政府の経済政策です。近年の政府の最も重要な関心事は、若者の失業対策と雇用の問題です。この問題について、政治アナリストのホシュチェフレ氏は次のように語っています。

 

「イランのイスラム革命は、政治分野だけでなく、経済分野も敵の陰謀の標的となった。経済的な圧力や制裁は、イスラム革命の勝利当初から、常にこの革命とともに存在してきた。国内の能力への注目と多大な努力によって、イランは厳しい経済的な試練を乗り越えてきた」

 

イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、政府閣僚との会談で、経済をイランの真の優先事項とし、若者の失業をはじめとする国民の生活問題の解決に向けた体制責任者のたゆまぬ努力を強調するとともに、「経済は政府の優先事項とされるべきだ」と語りました。ハーメネイー師は、イラン経済を、石油経済から国民の生産経済へと方向転換する必要性を強調し、「経済を石油から解放すべきであり、その重要な目的は、イランの人材と可能性への注目によって実現する。石油のない国々もそのようなことを実現してきた」と語りました。

 

イランは、経済のさまざまな分野で、国民を中心に好ましい生産の可能性を有しています。この重要な原則と石油経済からの脱却に注目することは、イランの経済の安全を倍増させるでしょう。それとともに、国内の主な問題である失業と雇用も、国民の生産経済に注目することで解決できます。

 

これについて、ローハーニー大統領は、政府閣僚と最高指導者の会談で、前期政権の行動と今期政府の目標について、「政府は国民に対し、絶対的な貧困を4年後までに根絶することを約束した」と語りました。

 

イランの今期政権の第一の目標は、若者の失業問題を解決することと発表されており、4年後までに、年間90万件以上の雇用を創出するための計画が立てられています。生産サイクルの活性化は、雇用の創出を生み出します。概して、産業の刷新、ナレッジベース経済の革新、非石油製品の収入の強化は、イランの経済の基盤を強化するための重要な3つの原則です。これにより、イランは敵の経済的な陰謀を退けられるでしょう。現在、経済力は国力の一部であり、軍事力だけに限られなくなっています。

 

ハーメネイー師は先週、イランの文化活動家や関係者と会談し、文化関係者の最も重要な責務は、神の道における努力と革命の精神を強化することだとし、「若者の宗教的、革命的な教育に全力を尽くすべきだ」と強調しました。

 

確かな未来を築くための若者の役割は、革命的な精神によって実現します。この特徴は、イスラム革命勝利直後、若者の間で、さまざまな分野で常に成長してきました。そのため、イラン社会では、若者の間の宗教的な思想の普及が、深い意味を持っています。一部の社会において、若者たちが過激なイデオロギーに陥っている現在の状況の中、このことは大きな重要性を有しています。

 

ハーメネイー師が強調したように、殉教者たちは、イスラムの道徳を極め、若者のモデルになっており、イスラム革命は、覇権主義者に対する若者の献身と抵抗によって、イラン国民にアイデンティティを与えることができました。

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アメリカの政府高官は、偽りの主張により、イランを核合意への違反で非難しようとしています。このことは、先週、メディアの注目を集めました。

ヘイリー国連大使、IAEA天野事務局長

 

アメリカのヘイリー国連大使は、先週水曜、オーストリアのウィーンで、IAEA国際原子力機関に対し、イランの核活動に対する査察の規模と効果についてのアメリカの質問に答えるよう求めました。ヘイリー大使はインタビューで次のように主張しました。

 

「イランの過去の行動を見れば、軍事施設、大学や関連施設に秘密裏の活動が存在したのがわかるだろう。IAEAは、現在、あらゆる疑わしい施設を査察する権限を有している。それを行っているだろうか?」

 

イランのザリーフ外務大臣は、この動きに対し、IAEA国際原子力機関の天野事務局長にあてた書簡の中で、アメリカの国連大使によるウィーン訪問の目的のマイナスの影響について警告しました。ザリーフ外相はこの書簡で次のように記しています。

 

「この訪問の前の、それに関する計画や発表の仕方にも、核合意の実施の成功に破壊的な影響がある」

 

IAEAは、核合意が実施されたときから、イランによる核合意に関する行動を監視し、その実態を調査してきました。天野事務局長は、核合意の後に発表した定例報告の中で、イランが核合意を順守していることを認めています。核合意により、イランは、核活動のさまざまな分野で信頼を構築するための行動や一時的な制限を守ることとされており、それらを完全に履行しています。IAEAの報告もこれまで何度も、イランが核合意を注意深く実行し、常に取り決めを守ってきたことを認めています。

 

8月22日は、イランの防衛産業の日でした。イラン国防軍需省は、この日を前に、声明の中で、「イランの抑止力と安全保障の強化、特にミサイルなどの戦略兵器の強化とイスラム抵抗勢力への支援は、イラン国防軍需省の新たな役割と地位を示している」と強調しました。この声明では、防衛産業の専門家は、抑止力と防衛力を最大限に強化することに全力を尽くすとされています。

 

防衛産業の専門家は、技術や研究面での可能性を最大限に活用することで、現在、イラン軍が、あらゆる脅威に対抗できるようなレベルに達するニーズを満たしています。イランは現在、最先端の弾道ミサイルの製造において自給自足を達成し、最新の技術を獲得することで、この技術を持つ限られた国のひとつとなっています。現在イランは、あらゆる種類のミサイルを製造する力を備えています。

ハータミー国防軍需大臣

 

イランのハータミー国防軍需大臣は、国会で、「イラン軍の組織には、100以上の研究施設と4000社の民間企業が存在し、それらの活用は拡大する。イランはまた、地域の安全保障のために協調の原則を守ることを、最高レベルで繰り返し明らかにしてきた」と強調しました。

 

ローハーニー大統領は、就任宣誓式の演説で次のように語りました。

 

「我々は、国内外の政策において、平和と改革を優先する。イラン政府の方針は、これまでと変わらず、世界とのバランスのとれた大規模な協力である。世界との建設的な協力、地域や近隣諸国とのつながりの強化、友好国との協力レベルの拡大は、意識的な選択であるとともに、世界の平和と安全を実現するために不可欠である。現在の複雑な情勢や危険な脅威を克服するには、各国の政府や国民の対話を確立し、拡大することが必要だ」