週刊イラン
この1週間に起こった主な出来事です。 イラン西部で大きな地震が発生しました。 シリアとイエメン問題に関する協議が続けられています。 イランの人権侵害に関する決議が採択されました。
先週日曜、イラン西部からイラク北部にかけて、マグニチュード7.3の大きな地震が発生しました。この地震により、436人が死亡、数千人が負傷し、震源地を中心に広範な地域で被害が出ました。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、この地震を受けてメッセージを発表しました。
ハーメネイー師はこのメッセージの中で、今回の自然災害に深い遺憾の意を示すと共に、軍やそれ以外の機関に対し、被災者の救援に急ぐよう指示しました。
ハーメネイー師はまた、大統領、国会議長、司法府長官、および、数名の体制責任者との会合で次のように強調しました。
「地震の被災者に対する体制責任者の共感は、国民の苦痛や問題が緩和されるよう、人々への支援や行動の面で力強く続けられるべきだ」
地震のあったケルマーンシャー州の救援活動は、先週土曜に終了しました。現在、被災者への支援活動が続けられています。ケルマーンシャー州のバーズヴァンド州知事は次のように語っています。
「救援活動の後、避難活動も終了しつつあり、被災者への支援が続けられている。12日の地震発生後、ケルマーンシャー州ではこれまでにおよそ450回の余震が観測された。救援活動が終了した後、まもなく、専門家によって、被災地の住宅の復興問題が議論されることになる」
ケルマーンシャー州で地震が発生した後、被災地に支援を届けようとする大勢の人の姿が見られました。多くの国からも、イランの政府と国民にお見舞いのメッセージが送られています。イラン政府は、外国の支援は必要なく、被災者への救援は国内のみの活動で間に合っていると発表していますが、一部の友好国からは、医薬品や食料などの救援物資がケルマーンシャー州の被災者に送られています。
イラン国民は、北部ギーラーン州のルードバール、南東部ケルマーン州のバム、そして今回のケルマーンシャー州など、大きな地震を経験してきました。明らかに、体制責任者と国民が力を合わせることで、被災者の苦痛を和らげることができます。体制責任者や国民は、洪水や地震といった自然災害に直面した際、神への信仰からくる忍耐により、責務を遂行すると共に、互いに支えあうことを示してきました。
***
今年もまた、シーア派3代目イマーム、ホサインの殉教から40日目のアルバインの行進が、イスラム暦サファル月20日にあたる今月9日、盛大に行われました。この行進には、数百万人のイラン人巡礼者の他、近隣諸国からも大勢の巡礼者が参加しました。最高指導者のハーメネイー師は、先週、イラン北西部の東アーザルバイジャーン州とテヘラン南方のゴムの関係者と会談し、テロの危険があるにも拘わらず、世界各地からこれほど多くの人々が参加したことは、神の道における戦いの思想が高まり、それが広がっていることを示しているとしました。
****
先週もメディアで、サウジアラビア主導の連合軍による反イランの発言が伝えられました。
サウジアラビア連合軍は、同国の首都リヤドのキング・ハーリド国際空港に対するイエメン軍のミサイル攻撃を受け、イランに対して根拠のない非難を行いました。彼らは、サウジアラビアに対するイエメンのミサイル攻撃は、イランから送られた軍備によって行われたと主張したのです。
このような根拠のない主張は、サウジアラビアがアメリカの支援を受け、2015年3月にイエメンを攻撃し、イエメンのハーディ元大統領を政権に復帰させるため、この国を陸、空、海から封鎖している中で繰り返されています。サウジアラビアのイエメン攻撃により、これまでに1万3000人以上のイエメン人が死亡、数万人が負傷し、何百万という人々が住む家を失い、この国のインフラが破壊されています。
この犯罪に抗議し、イランの191人の国会議員が、先週水曜、声明を発表しました。
「サウジアラビアが、各種の武器によってイエメンの人々を殺害しているというのに、アメリカなどの西側諸国、人権擁護を主張する人々は、なぜ、この犯罪に対して沈黙しているのか?」
イランのザリーフ外務大臣も、国連のグテーレス事務総長に書簡を送り、イエメンの状況は、サウジアラビアによる攻撃と全面的な封鎖の結果、悪化し、懸念すべきものになっているとしました。
イラン外務省のジャーベリーアンサーリー・アラブアフリカ担当次官は、先週、ロシア、シリア、その後トルコを訪問しました。ジャーベリーアンサーリー外務次官は、シリア問題の解決を目指すアスタナ協議のイラン協議団のメンバーです。ジャーベリーアンサーリー次官は、モスクワで、ラブレンティエフ・ロシア大統領府シリア特使やフォーミン国防次官と会談し、地域の情勢と、アスタナ協議の最近の努力について協議しました。また、シリアやトルコでも、これら2カ国の関係者と会談しました。
これらの協議に引き続き、今月18日からは、テヘランで、イラン、トルコ、ロシアの専門家による会合が行われました。また、先週日曜には、イラン、トルコ、ロシアの外相が、トルコのアンタルヤで話し合いを行いました。さらに、今月22日には、3カ国の首脳会議がロシアのソチで開催されることになっています。
シリアでは現在、テロとの戦いにおけるイランの役割、シリアや地域の治安の回復が強く感じられています。この役割は、ロシアとトルコの協力により、現在、アスタナ協議のプロセスの中で、さらに明らかになっています。こうした努力の結果、この連合を弱め、イランと同盟国の間を引き離し、レバノンやパレスチナの抵抗勢力にダメージを与え、パレスチナ問題を消滅させるために行ってきたアメリカとシオニストの陰謀は、次々に失敗に終わっています。
国連総会第3委員会は、先週、根拠のない主張を繰り返し、イランの人権状況を非難する決議を採択しました。
イギリス、アメリカ、フランス、バーレーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カナダが、この決議に賛成票を投じました。
イランが人権を侵害しているとする主張の内容は、コーランの戒律によって報復刑とされる殺人犯や麻薬密売業者の死刑執行、表現の自由の欠如、女性に対する差別的な法の行使、宗教少数派の権利侵害といった問題への非難です。
アメリカはこの中で、イランの人権状況を担当する国連特別報告官を決定する際に人権機関に圧力をかけ、イランを人権侵害国であるように見せようとしています。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、アメリカは、世界最大の人権侵害国であり、この国には、イランや他の国の人権状況について判断を下す資格はないとしてきました。ハーメネイー師は、アメリカによる先住民の弾圧、黒人に対する差別、CIAの秘密刑務所、イラク、アフガニスタン、パキスタン、イエメンでの罪のない人々の殺害や組織的な拷問を例に挙げています。
残念ながら、西側に属する機関やその決議は、何年も前から、人権に関する実際の状況から離れているのです。