週刊イラン
(last modified Tue, 28 Nov 2017 09:46:31 GMT )
11月 28, 2017 18:46 Asia/Tokyo

この1週間の主な出来事です。 シリアとイラクのISISの最後の拠点が陥落しました。 バスィージ週間を迎えました。 イラン、ロシア、トルコの3カ国首脳会談がロシアのソチで開催されました。

ソレイマーニー司令官

イランイスラム革命防衛隊特殊部隊のソレイマーニー司令官が、今月21日、イスラム革命最高指導者のハーメネイー師に宛てた書簡の中で、ISISの支配の終わりを宣言し、この大きな勝利についてハーメネイー師に祝辞を述べました。

 

シリア政府軍とその同盟勢力は、今月19日、シリアのISISの最後の拠点であった東部デリゾールの南部近郊ブカマルを、ISISの占領から完全に解放しました。

ブカマルの解放により、シリアのISISは完全に消滅しました。

ブカマルの解放

これに先立ち、今月17日には、イラク政府軍が、イラクのISISの最後の拠点であった西部アンバール州のラワを完全に掌握し、解放しました。ラワの解放により、イラクのISISも完全に消滅しました。

 

地域情勢を見ると、アメリカ、サウジアラビア、イスラエルは、イラクとシリアの領土分割の陰謀において、ISISの立場が安定するのを待っていたことが分かります。この分割の陰謀が実現していたら、地域は新たな状況に直面していたでしょう。その最大の目的は、地域の政治、安全保障から、抵抗勢力を排除することにありました。

 

ハーメネイー師が、地域におけるISISの衰亡に関するソレイマーニー司令官の書簡に応じる中で触れた重要な点も、そのことを物語っています。ハーメネイー師は次のように強調しました。

 

「ISISの支配の終わりは、このテロ組織を誕生させ、西アジアで自分たちの支配を広げ、シオニストの強奪政権に支配させるために、この組織を全面的に支援した、アメリカの過去と現在の政府、そしてそれに従属する地域の政権に対する打撃だった」

 

ハーメネイー師はさらに、次のように語りました。

 

「これは、圧制的なISISという組織に打撃を与えただけでなく、地域の内紛を作り出し、この逸脱した組織の幹部を使って、シオニストに対する抵抗勢力を消滅させ、独立諸国を弱めようとした悪しき政策に、より大きなダメージを与えるものだった」

イランのスンニー派の著名な法学者ら

イランのスンニー派の著名な法学者らも、ISISに対する抵抗グループの戦士たちの勝利に大きく貢献した、ハーメネイー師の指導に感謝を述べ、「ISISの消滅後、イスラム共同体の若者の間における過激派の今後の陰謀を明らかにすることを決して怠らないだろう」と強調しました。

 

「預言者一門を敬愛する人々とタクフィール主義の問題」と題する会合が、先週水曜と木曜、94カ国から、イスラム法学者やイスラム世界の関係者800人以上が出席する中、テヘランで開催されました。ハーメネイー師は、この会合に出席した人々と会談する中で、次のように語りました。

 

「イラクとシリアのISISは終わったが、敵の策略への警戒は怠るべきではない。なぜなら、アメリカとシオニスト、それに追従する勢力は、イスラムへの敵対をやめることはなく、ISISのような陰謀を地域で別の形で計画、実施する可能性があるからだ」

バスィージ

先ほども触れたように、イランは先週、バスィージ週間を迎え、ハーメネイー師が数千人のバスィージのメンバーと会談しました。

 

今月22日から28日まで、イランはバスィージ週間を迎えています。1979年のイスラム革命の勝利後、イラン国民の敵の陰謀は、日々、新たな側面を帯びるようになりました。そのため、イスラム革命の指導者ホメイニー師は、1989年11月26日、民兵組織バスィージの結成を指示しました。

 

バスィージは、1980年代のイラン・イラク戦争の聖なる防衛の時代、前線をはじめとするあらゆる場面で貢献し、最も重大な責務を担いました。現在も、バスィージは、イランに対する覇権主義体制のソフトな戦争に対抗する中で、独自の役割を果たしています。バスィージは、さまざまな場面で、力強く決定的な貢献を行っているのです。

ハーメネイー師は、イラン全国のバスィージのメンバー数千人を前に演説する。

ハーメネイー師は、先週水曜、イラン全国のバスィージのメンバー数千人を前に演説し、さまざまな場面、特に覇権主義との闘争における若者たちの活躍は、イスラム革命の奇跡だとしました。ハーメネイー師は、ISISというがん細胞を消滅させた真の要素は、バスィージとしての精神や感情だとし、次のように語りました。

 

「敵は、この人道に反するタクフィール主義のグループによって、抵抗勢力に対して問題を引き起こそうとしたが、敬虔な若者たちは力強く戦いの場面に参加し、敵を屈服させた」

イラン、ロシア、トルコの大統領

イラン、ロシア、トルコの大統領は、先週水曜、ソチにおいて、シリア情勢について話し合いを行いました。イランのローハーニー大統領、ロシアのプーチン大統領、トルコのエルドアン大統領は、先週水曜夜、ソチの会談の最終声明の中で、シリアの主権、独立、領土保全と統一を確認し、テロ組織が最終的に敗北するまで、協力を続けることで合意しました。

 

イラン、ロシア、トルコの大統領はまた、シリアに統一を戻し、政治的な解決法を見出すのを支援することで合意しました。この中では、国連の監視のもとでシリアの有権者全員が参加する、自由で公平な選挙を通し、シリア人の支持を得た憲法の制定につながるような、透明、公正、自由、かつ包括的なシリア人同士のプロセスによる危機の解決が強調されました。

 

これにより、今月28日、ソチで、シリア人同士の国民会議が開催される予定です。この会議は、シリア政府の賛成派と反対派が出席し、シリアの今後について話し合うために開催されます。

 

先週、イランのラーリージャーニー国会議長が、アジア議会会議の会合に出席するため、トルコ・イスタンブールを訪問しました。この会合には、アジア42カ国の国会議長と議員代表団の他、16カ国がオブザーバーとして出席しました。

 

この他の先週のイランにまつわる出来事としては、イランのナジャフィーIAEA大使が、11月のIAEA国際原子力機関の定例理事会で、すべての関係国、特にアメリカに対し、核合意の取り決め履行を強調したことが挙げられます。