核合意の破棄に関する警告
核合意を無効にし、この合意から離脱しようとするアメリカのトランプ大統領の努力が、再び、核合意関連の問題として提起されています。
IAEA国際原子力機関の天野事務局長は、5日月曜、声明の中で、核合意を失敗させようとするアメリカの圧力の結果について警告しました。
天野事務局長は、オーストリアのウィーンで開催されたIAEA定例理事会で次のように語りました。
「イランの核合意は、核活動の実態調査に関する明らかな成果を示している。核合意が破棄されれば、それは核問題に関する多極主義や核の実態調査にとっての大きな失敗を意味するものになると言える」
同時にテヘランでも、フランスのルドリアン外務大臣とイランの政府高官による協議の最も重要な議題は、核合意に関するアメリカの約束不履行の結果に関するものでした。
イランのローハーニー大統領は、5日月曜、ルドリアン外相との会談で、地域の協力、安定、安全を強化するための核合意の維持の必要性を強調し、「核合意が破棄されれば、すべての国が後悔することになるだろう」と述べました。
ルドリアン外相は、テヘランの協議で、「ヨーロッパ、特にフランスは、アメリカの圧力にもかかわらず、核合意の実施を決意している」と強調しましたが、イランは、核合意の実施を巡るヨーロッパの高官の一部の行動や発言、そして彼らがアメリカの圧力の影響を受けていることを批判しています。
国際関係の専門家であるザンギャネ氏は、次のように語っています。
「アメリカは、核合意の内容を無効にしようとしており、イランに対する制裁の強化など、他の方法によって圧力を拡大しようとしている」
これについて、いくつかの重要な点が存在します。その一部は、これまでに何度も繰り返されてきた事柄です。
まず、核合意に関して判断を下したり、見解を表明したりできるのは、トランプ大統領やホワイトハウスではありません。IAEAです。そしてIAEAの天野事務局長は、イランが核合意を遵守していることを過去10回にわたって認めています。
第二に、イランの核合意の利益が、アメリカの軽率で一方的な決定によって損なわれるのであれば、イランは当然、アメリカの行動に即した決定を下すことになるでしょう。
第三に、この問題に関するEU諸国の反応や決定です。
ノルウェーの政治学の専門家、ロドガード氏は次のように語っています。
「このような行動は、政治化と口実探しによるものである。イランは完全に合意を遵守しており、IAEAもまた、それをはっきりと表明している。EUもこの合意を完全に遵守しており、それは、この合意に多くの政治的な投資を行ってきたからだ。EUはイランとの協力の中に経済的な利益を有している」
実際、トランプ大統領の破壊的な政策は、EUを懸念させています。そのため、この問題に関して解決策が見出されず、EUが、アメリカの理にかなわない頑なな態度から離れなければ、間違いなく、彼らはこの政治ゲームの敗者になるでしょう。